FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

石井好子   「バタをひとさじ、玉子を3コ」(河出文庫)

 名エッセイ「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」から続くお料理エッセイシリーズの一冊。

 ヨーロッパから帰ってきた友人が石井さんに言う。
「フランス人ってケチですね。レストランで驚いてしまいました。肉か魚にかかっているソースをパンにつけて、まるでお皿をふきとるみたいにして食べるんだから、けちくさいし行儀もわるいな。」

 最近では日本人もフランス人をまねて多くの人が皿の残りをパンにつけて食べる人が多い。

 フランス人は確かにけちである。流行の発祥地にも拘わらず、着ている服は地味だし、食品も安いものを求めて行列までするし、石井さんが親しくしていた売れっ子歌手でも、無駄使いはしないで貯金をしていた。

 そんなフランス人でも、食べることにはぜいたく。しあわせは食事から生まれることを信じている。それでも、確かにフランス人は、皿に残ったソースをすべて食べてしまう。

 ドーバーで獲れた舌平目を、何日かかけその昔パリまで馬車で運んでくる。パリに到着した時には殆ど腐りかけている。

 こんな材料をどのようにして美味しい料理にするか。腕によりをかけて料理名人が料理する。魚に塩コショウして、レモン汁、バタ、白ワインをふりかけ蒸し煮にする。魚を取り出し、皮と骨を取り除く。残りの汁を漉して、それでおいしいソースを作る。

 煮汁に玉子の黄身またはチーズ、生クリームなどを加え仕上げる。

 フランス料理の決め手はソース。中には数日間かけ作り上げるソースもある。

 こんなソースを残しておくことなどあり得ない。フランス人が食べた後の器は、すべて洗浄したあとのようになる。

 フランス人のソースを最後まで食べる仕草は様になっているが、どうも同じことを日本人がやると、みすぼらしく、がさつに見える。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ





| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT