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司馬遼太郎    「春灯雑記」(朝日文庫).

 日本、世界の歴史を基盤にして、現在日本が直面する問題の克服方法や将来の在り方を中心に書かれたエッセイ集。

 文明というのは、国境を越え、征服という形で広がり、そして根付く。7世紀世界では2つの大文明があった。一つはローマ文明。ローマ帝国は征服という形で、ヨーロッパの殆どを配下に収めた。そのローマ文明が、西洋文明の基盤となり今でもその根底をなす。

 もうひとつは中華文明。中国は、広大な土地に多くの民族が群雄割拠していたが、三国時代、南北朝時代を経由して、隋、唐に統一された。

 日本は他国から、猿真似国と今でも言われている。隋、唐時代、手をこまねいていると、他の国々のように中国に征服される。それで、日本は国家作りのため中国を取り入れようとして、中国に日本人を派遣する。遣隋使、遣唐使である。遣唐使は西暦630年から894年に廃止される二百数十年続いた。命をかけ中国にわたり、文献を購入。お金で中国を学び、そして、真似をして律令制を中心とした国家を創った。

 中国の「詩経」に刺激され、日本語で作られた名詩を編纂して「万葉集」が創られた。史書に刺激され、日本でも必要ということで「古事記」「日本書紀」が編纂され日本語の基盤が創られその後の文学生成のレールが敷かれた。

 それから約千年、日本は武家支配制度が確立し、外国の直接的影響を受けず時代は流れる。

そして明治維新。この時も、西洋に征服支配される前に、多くの欧米人を高額の給料で雇い、懸命に西洋の制度文明を取り入れようとする。また、官費留学生も大量に派遣した。そして西洋の制度と同じ統治、軍事体制を敷いた。

 千年以上の時間をかけて作られてきた文明を数年で移植するというとんでもない革命を日本は行った。積極的に猿真似をすることで、征服されたり植民地化されるのを防いだ。

 大変なのは、外国語を日本語にすることだった。日本語には概念の無い言葉ばかりだった。だから膨大な新語が創造された。「神」「宗教」「哲学」など。

 この膨大な新語により、外国語を国の言語にすることを免れた。

日本人が英語を苦手にしたりしゃべれないのは、明治に外国語を新日本語に変換することによって生じた。
 本当に良かった。日本語が無くなり、日本人が中国語や、英語をしゃべる国にならなくて。

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