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垣谷美雨   「うちの子が結婚しないので」(新潮文庫)

 主人公の友美は28歳のアパレルメーカーに勤める。今は、販売店に配属され、店頭販売を担当している。

 父は、大手商社に勤めていたが、子会社の通販会社に出向、もうすぐ定年がくる。母の千賀子はIT会社でシステムプログラムを組む仕事をアルバイトでしている。

 28歳というのが少し現実的ではないが、両親は恋人もおらず、結婚を全く考えない友美に不安を感じ、婚活をしようと説得する。そして、友美も独身のまま、親がいなくなる状況に不安を思い、両親に同意する。

 今は親婚活といって、親が子どもに代わり、子供の写真、プロフィールを持って、婚活する商売が流行っている。

 そこで、千賀子は親婚活に申し込み結婚相手を探し、友美は一般の婚活会社に申し込み、相手を探すこととなる。

 友美が参加する婚活パーティ。必ず、絶世の美人が参加している。男性は、女性の人間性とか気立てなどを見ず、全員が美女に集中する。その女性が、友美が申し込むパーティにいつも参加している。婚活パーティを渡り歩くさくらなのである。

 親婚活。友美と両親の身上書を書いて、主催者に送る。その後、参加者と両親の身上書が友美の家にも送られてきて、そこで婚活当日、互いの身上書が交換でき、相手の身上書を持ち帰って検討し、相手と会ってみようということになれば互いに連絡しあって見合いとなる。

 この身上書の交換が実現するのが難しい。見合い同士の前に、親が互いに納得せねばならない。

 まずは、子供以前に親同士が良い関係が築けるか。親の職業、出身大学が互いにふさわしいか斟酌される。結婚の条件として、親の介護をみてもらえることが条件になったり、すでに2世帯住宅ができあがっていて、親と同居が見合いの条件になったりする。

 その条件が合致して、見合い同士の学歴、収入、勤め会社が検討される。
平凡な経歴の友美の家族となると、なかなか相手から身上書の交換とならない。

 また交換が実現しても、交換相手から、見合いが断られたり、見合いで付き合いが始まっても、結婚の決意までは到達しない。
 だから、千賀子は8回の親婚活に応募する。

 恋愛では、当人同士が結婚を決めれば、家族の環境など一切関係なく当人同士の意志が最優先となる。親婚活では、家庭、家族が相手とつりあうかという厳しい条件がさらに加わる。

 親婚活の困難を克服して結婚までつながれば、苦労はするが、当人同士親同士互いに知っているから、結婚その後の暮らしは穏やかで安定したものになる。

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| 古本読書日記 | 06:19 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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