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住野よる   「よるのばけもの」(双葉文庫)

 主人公の安達は中学3年生。彼は、夜になると、足が6本、目が8つ、4本の尻尾をもつ化け物に変身ができる。しかも、2つに分かれて分身もつくることができる。

 安達が、化け物になって夜の学校に忍び込む。誰もいないと思った教室に矢野さつきがいる。

 実は矢野さつきはクラスで虐められ、徹底して誰からも無視されていた。もちろん虐めには積極的に加わらないが、安達も矢野を無視していた。

 クラスは3つの派に分かれる。「いじめをする派」「大衆派 いじめはしないがいじめられないように常に気をつけている」「いじめを受ける派」

 矢野は朝教室に入ると、必ず大きな声で「おはよう」と言う。しかし、誰からもあいさつは無い。しかし、矢野は虐められても、無視されてもいつも笑っている。

 夜、教室で矢野と会話している化け物になった安達に、矢野は安達に「安達がモーツァルト派かヴィバルディ派」かと聞いて以来、会うたびに安達に対しいろんなことについて何派と聞くようになる。

 安達は、常に、いじめをうけないように、いじめをする側からきらわれないように最新の注意を払っていなくてはならない中学校生活の窮屈な状態がいやになる。そしてこんな状態がいつまで続のだろうと嘆く。

 そして、最後に安達は矢野に問われる。
本物の安達は夜の安達、それとも昼の安達と。

 答えられないが懸命に考える。そして、次の日の朝、矢野が大きな声で「おはよう」と教室に入ってくる。
 そのとき安達は「おはよう」と返す。

 クラスのみんなが、安達に対して引く。
今後どうなるかはわからないが、その夜安達はお化けにもならず、ぐっすりと寝た。

 昼夜にかかわらず、いろんな事件が起こるが、すべて安達の視点で描かれるので、安達が思ったように、当時者たちが思っているかがわからないからモヤモヤ感が残る。しかし、それでも安達は悩み、窮屈さの中から、思考を繰り返し最後にそれらを乗り越える勇気ある決断をする。だから悔いは無い。安達の懸命さが胸を打つ。

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| 古本読書日記 | 06:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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