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奥村宏 佐高信   「企業事件史 日本的経営のオモテとウラ」(教養文庫)

 戦後以来起きた企業にかかわる大きな事件を分析しながら、「会社本位主義」の弊害を抉りだす。

 日産のカルロス ゴーンが逮捕され大きな話題となっている。有価証券報告書に記載されている彼の収入が虚偽ということで、最初逮捕されたが、現在は会社の金を彼個人や家族のために使った背任罪のほうに捜査は移っている。

 金額の多寡を別とすれば、かなりの企業で会社のお金を社長が私的に流用することは行われている。日本の会社の会計処理には使途不明金という科目がある。アメリカなどには無い科目だそうである。使途が不明などということはあり得ないからである。各企業は社長の個人的費用を使途不明金として処理し税金を払う。

 かっては、会社のスキャンダル、裏金をかぎつけ、これを処理して企業からお金をむしりとるフィクサーがいた。暴力団も関わり、大きな資金源ともなっていた。

 しかし暴対法が創られ、企業への脅迫が禁止され、フィクサーや暴力団の活動が難しくなった。

 だからと言って企業の不正やスキャンダルが減ったわけではない。ということは誰かがフィクサーの代わりになっているはず。
 大金をつかむことができるのをむざむざ見ているのはいけないと、今この役割を演じるのは政治家だそうだ。必要であれば、政治家が暴力団、フィクサーを使いせしめたお金を分配する。こんなおいしい商売は無い。政治家がどうしてやめられないかよくわかる。

 未公開株の公開、増資による株の購入。公開会社と証券会社がタッグになって社会に購入をあおる。

 この株を政治家に優先的に割り当てる。政治資金規制が厳しくなってきたため、形を変えた政治献金である。証券会社は、値上がり幅を最初から設定し、株をいつ売ったらいいか、政治家に指南する。これで、政治家は大きな金を手に入れる。

 〇月〇日9時に株公開と発表される。その時間に一般の投資家が、株購入を申し込んでもすでに売り切れと証券会社から伝えられる。

 ゴーン事件にも、すでに手を突っ込んでいる政治家がいるのだろうか。この本を読むと想像してしまう。

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