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司馬遼太郎   「燃えよ剣」(下)(新潮文庫)

 「燃えよ剣」は昭和37年11月から39年3月に週刊文春に掲載されている。同じ時期、週刊サンケイに「竜馬がゆく」を連載。さらに中央公論に「新選組血風録」を連載。
 信じられない作品創造力。司馬が最も油が乗り切っていた時代の作品である。

 作品は新選組の消長を描いているが、組長近藤勇の懐刀として活躍した土方歳三の人生を扱っている物語となっている。

 それにしても、近藤勇は最終的に何を目指していたのだろうか。鳥羽伏見の戦いで負け、敗走する。しかしそこで閃く。幕府直轄領はまだ、誰が支配するか決まっていない。

 そこで、甲府百万石の直轄領を自分の物にでき、藩主となれば、そこから維新政府を排撃し、近藤幕府をうちたて日本を支配する。司馬は近藤勇の意図をこう小説で描く。

 そして近藤は70人の同志で、江戸を出発。途中の武州八王子付近は、もともと近藤の地盤。そこで同志を募り、甲府に出撃する。

 この維新政府討伐の行動に対し、幕府から驚くことに5000両が近藤にわたる。近藤はどうしてもやってみたかった大名行列を実現しようとする。大金を道中でばらまき、毎晩贅沢の限りを尽くす。

 一方官軍は板垣退助を隊長に、長野の上諏訪に兵を結集、甲府城を目指す。
大名行列に浮かれて甲府をめざした近藤勇。殆ど無血で城を征服できると思っていたが、すでにその時は板垣が城を征服していた。そして、この戦いで近藤は破れ、新選組も消滅してゆく。

 佐幕は、どのように見ても、実現するわけは無い。新選組も隊士の多くは、佐幕は受け入れられないとしてどんどん離脱する。

 土方のような人間はいつもいる。佐幕が無理とわかっていても、最後まで近藤勇を最後まで支える。生き様は、義や情にはまり、大衆からは拍手となるわけだが、冷静にみれば愚かな態度になってしまう。

 だから、小説や劇では残るが、歴史上からは消される。

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| 古本読書日記 | 06:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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