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鎌田慧  「日本列島を往く(2)地下王国の輝き」(岩波現代文庫)

 廃坑になっている日本のかっての鉱山の町を訪ね、その町の絶頂期の記憶から今に至る軌跡をルポした作品。

 数年前、秋田を旅行した。奥羽本線で大館まで行った。そこまでは比較的平野で耕作地がたくさんあったのだが、そこから先は青森県まで矢立峠を越えなければならない。さらに大館からかって奥羽山脈に向かって走る私鉄小坂鉄道が走っていたことを知った。

 終点小坂には有名な小坂鉱山があった。
鉱山が最盛期だったときは人口は2万4600人いたが、現在は7000人と衰退している。

 鎌田の鉱山史レポートを読んでいくと、鉱山のことも興味がわくのだが、そこに挟まれている小坂にまつわるエピソードを知って驚く。

 小坂町は日本の私小説の大家、葛西善蔵の出身地だった。葛西は東京に移ったが、弟勇蔵は小坂に残る。
 善蔵と勇蔵の関係は、ゴッホと弟テオの関係に似ている。
 勇蔵も貧乏な生活を強いられていたのだが、小説が全く売れず食うや食わずの状態だった兄善蔵を必死に支える。 

 また石川啄木の姉サタは、小坂で31歳の若さで亡くなっている。
サタは鉄道機関士と結婚。夫の転勤に伴って小坂に転居。そこで亡くなった。啄木は死因を肺結核と書いているが、サタの娘いねは公害病だったと言っている。

 そして私にとって極めつけだったのは、十和田湖が小坂に属していて、そこで和井内貞行が登場したこと。
 最近は痴呆が進み、記憶がどんどん薄れてゆく。こんな状態で和井内貞行が登場。多分小学校の社会の教科書に和井内は記載されていたように思う。

 和井内が十和田湖畔に住み始めた時は、十和田湖には巨大なイモリしか住んでいないと言われていた。ここで、いろんな魚の養殖に挑戦した。何年かけても成功せず苦戦をしたが、最後にニジマスの養殖に成功する。

 そんな負けない挑戦の姿に小学校時代感動したことがよみがえってきた。
今は、和井内貞行は学校教育で登場しているだろうか。

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| 古本読書日記 | 06:25 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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