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原宏一    「星をつける女」(角川文庫)

 最近は以前より一時間遅れの朝5時少し前から犬をつれて散歩をしているが、その前は長い間朝4時から散歩をしていた。

 その時、いつも感心したのだが、近くの中華食堂から転じたラーメン屋と、家から少し離れた昔から営業しているラーメン屋、それにパン屋に明かりがついていて、仕込みをしていた。

 それがパン屋を除いて、店の前を通ってもラーメン屋から灯りが漏れてこなくなった。その時から、味が変わった。しかし、店は儲かったのが、3店、4店と店舗を拡大していった。

 また、びっくりしたのだが、古くから続く、ある人気ラーメン屋が、店主が年をとったため、廃業。その秘伝のスープレシピを6000万円で買い取り、近くでラーメン屋を始めたあんちゃんがいた。スープが6000万円とは?これだけ稼ぐのにどれだけ時間がかかるのだろう。

 そして、驚いたのは、いつも行く喫茶店の客から聞いたのだが、実は朝仕込みをやめたラーメン屋のスープは、同じスープ専門工場に製造委託していると。同じ敷地で異なった店のスープを作っているのだ。そこでは、メンマもシャーチュウも作っている。

 この連作小説集の2番目の作品。「麵屋勝秀」の鯖江社長のスープ創りの最初の場面。
「がつん。がつん。がつん。
 拳骨を叩き割る音が厨房に鳴り響いている。
 拳骨とは豚の大腿骨。鉄アレイのごとき形状の太い骨の幹に向けて、胡麻塩頭を五分刈りした鯖江社長が、渾身の力を込めて鉈をふりおろし、スープの中に骨髄が溶けだしやすいようにひびを入れている。」

 その後も、材料との格闘が続く。
 ラーメンの命であるスープは職人の技によって作られるものだと感じた。

 しかし、店舗拡大をして、経費節減のために、機械やコンピューターで管理して、スープは作られるようになるのだ。

 それにしても、朝四時に灯りがついていたラーメン屋のラーメンはおいしかった。もう食べられないのがとても残念だ。

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| 古本読書日記 | 05:56 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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