FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

海堂尊   「ポーラースター ゲバラ覚醒」(文春文庫)

 キューバでカストロとともに社会主義革命を起こしたゲバラ、その後、アフリカ各地を回りコンゴ動乱に加わり、更に東ヨーロッパをまわり、最後南米ボリビアの小さな村にいたところを、当局に発見され捕まり、当時のボリビア大統領の殺害命令で39歳の射殺され波乱万丈の生涯を終えた。

 この作品は、生まれたアルゼンチンで、ブエノス大学医学部を卒業、その直後、親友ピョートルとともにオートバイで南米大陸を一周してきた紀行を中心に、ゲバラ青春期4作品の第一巻として書かれた作品。

 この作品は、ゲバラが書いた「モーターサイクル南米旅行日記」を下地にして書かれていると思われるが、かなり海堂が話を感動的にするために創っているんじゃないかという感想を持った。

 アルゼンチンの無名の医大生にも拘わらず、チリのバルパライソで、後年チリで革命を起こし民衆の英雄となったアジェンデに会っていたり、他の南米指導者や偉大な作家にも偶然のように会っている。

 この旅行の最大の目的地は、ペルー サンパブロハンセン病療養所。ここで、ピョートルがマリアという看護師に惚れる。そして、一旦はここを離れるが、すぐに戻ってくるとマリアにピョートルがプロポーズ。これをマリアが受け入れる。しかし、ピョートルはボリビア コントラクト鉱山に向かう途中で地雷を踏み死んでしまう。

 このピョートルは、ゲバラと一緒にオートバイ旅行をしたアルベルト・グラナードがモデル。彼はこの旅行では亡くなってはいない。

 この物語の最大の悲劇は、全くの海堂の創り話。

 なによりも、ゲバラが恋心を抱いた、女優ジャスミン。そのジャスミンの導きで、人気のなかったペロンが政界で頭角を現し、アルゼンチン大統領まで上り詰める。旅行から帰ってくると、ジャスミンにゲバラは呼びつけられ、自分はガンになっていて余命幾ばくもないと言う。

 ペロンはそのことを知らず、2人でバルコニーに立って、ジャスミンを副大統領に指名すると宣言する。直後ジャスミンが登場すると、大衆の大応援。しかしジャスミンは副大統領就任を辞退すると宣言する。

 これもとっても現実にはありえない。

 読み終わり、次のページを見ると、膨大な量の参照資料が載っている。
この資料を全部読み終えて、物語は作られているのか。何だか、物語は実は真実ではないかと思ってしまう。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:02 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT