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真梨幸子   「6月31日の同窓会」(実業乃日本社文庫)

 伝統もあり名門女子高である蘭聖学園。その学園の卒業生が連続死をする。調査を依頼された松川凛子も学園の卒業生で、卒業生で組織されている「鈴蘭会」の副理事長もつとめている。

 凛子が調査を進めると、死亡した女性たちに「6月31日の同窓会」の案内状がきていることがわかる。そして、その案内状が凛子にも届く。

 蘭聖学園は小学校から高校までの一貫教育学園。原則一貫校なのだがわずかながら、中学、高校で受験して入学する生徒がいる。

 実は、「6月31日の同窓会」の開催場所はホテルニューヘブンで、このホテルは昔の女子刑務所だったところ。蘭聖学園の前身は、受刑者出所後の更生、生活支援施設だった。

 その精神が引き継がれて、社会問題児を受け入れている。受験の試験もやさしい問題となっている。
 ということは、受験をして途中ではいってくる生徒はすべて問題児ということになる。そしてこのことは他の生徒はみんな知っている。

 だから、途中から入ってくる生徒は、かなりひねているし、問題を引き起こす生徒が多い。
問題のある生徒や、かって問題があった生徒が、問題を起こさないか監視する組織が「鈴蘭会」である。

 そして同窓会の案内状をもらった人は、すべて中途編入者だった。

弁護士になり、蘭聖関係者からしょっちゅう相談をかけられる凛子も途中編入者。しかし高校時代優秀な生徒で学園始まって以来東大生になるのではと期待されていた。

 しかし東大は無理で他の国立大学に入学したが、その後は頑張って弁護士にまでなった学園誉れの女性である。

 蘭子が多くの相談を持ち掛けられたり、鈴蘭会の副理事長についているのは、「鈴蘭会」が途中編入者である蘭子を監視しているためである。

 何しろ、蘭子は感情が昂ると、行動に見境がなくなる。それで弟2人を鉈を振り回して殺害していた。

 こんな不気味な背景が、いくつかの殺害が発生するたびに、すこしずつ明かされ、恐怖感が増してくる真梨得意の手法の物語になっている。

 しかし、途中から入ってくる生徒には学園を卒業しても、生涯監視が続き、何とも辛い学校である。

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