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藤原美子    「藤原家のたからもの」(文春文庫)

 藤原正彦の妻美子さんが、藤原家に残されている品物を取り上げ、それにまつわる話をまとめたエッセイ集。

 エッセイの中での思い出の品は、何といっても美子さんが小学校2年から3年の夏休みに書いた日記帳である。夏休みは今でもそうなのだが、日記を宿題で書かせる。しかし、それをよくとってあったものだと感心する。

 日記には美子さんの妹玲子さんが頻繁に登場する。母親に玲子さんの面倒をみるようにと世話係を命じられているからだ。

 玲子ちゃんのために、「アンデルセン童話集」を読んであげる。「アンデルセン好き?」と聞くと玲子ちゃんは「嫌い!」と答える。「イーダの日記」半分ほど読んだところで、玲子ちゃんは眠りに入る。しかし美子さんは夢の中でも聞けるように最後まで読んで本を閉じる。

 みんなでかくれんぼをする。玲子ちゃんを探すのは簡単。「玲子」と呼ぶと必ず「アーイ」と答えるから。

 そんな玲子ちゃんも、25歳のとき再生不良貧血を患い亡くなってしまう。
こんな幼いころの思い出が日記を通して、ありありとよみがえる。素敵だと思う。

 藤原家の両親、作家新田次郎と藤原ていは長野県の諏訪出身で私と同郷。
正彦、美子夫妻は、茅野の蓼科山麓に土地を借り菜園をしている。その指導と手伝いをしているのが御年90歳の源次さん。

 畑仕事が終わり、家に帰ると源次さんがいう。
「ああ、ごしてえ」と。ごしてえは方言で疲れたという意味。

 大学の寮で、「ごしてえ」が方言とは知らず私が口にすると、同じ部屋の住人が「おう、やろうやろう」と押し入れから碁盤をだしたことを思い出した。

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