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佐藤愛子    「孫と私のケッタイな年賀状」(文春文庫)

 会社生活を始めたころ、忘年会がいやでたまらなかった。
各課が出し物を競い、それを部門長だった常務が審査して優勝だし物演芸を決めた。忘年会が近付くと、各課が昼休みや就業後、隠れて出し物の練習をやらされた。

 多くの社員が、こんなこと毎年やりたくないなあと思っていたが、こんな面白い忘年会があるものかとある年代以上の価値観でおさえつけられ毎年実施された。

 弱るのは、ある年代以上の人たちはこんな楽しい忘年会は無いと信じていて、だれもこのことに対し反駁できないことだった。

 このエッセイは佐藤愛子が孫の桃子に仮装、着ぐるみを着せ、佐藤愛子と桃子が演技をして、それを載せけったいな年賀状を自画自賛して配った20年間の軌跡をつづっている。

 確かにひとつひとつの年賀状に載った写真は面白いものが多い。もらった人たちも楽しかったのではと思う。

 しかし、やはりひとりよがりのものが多い。北杜夫は「みっともなし」と年賀状の返事を書いている。佐藤愛子は怒ってそれから年賀状を北に送ることをやめている。

 2009年にこの様式の年賀状を作ることを、体力の事情もありやめる。

そのとき、20年間を振り返り、佐藤愛子、娘の響子、孫の桃子が20年の年賀状をみながら振り返る。
 愛子 「20年間の記録をみてどうおもうの。」
 桃子 「どうなんて思うことないよ。みんなあんまり記憶が無い。」
 愛子 「だから今みてどう思うよ。」
 桃子 「わかんない。積極的に参加してないから。」
 愛子 「この子には佐藤家の血が流れていないよ。うちの兄だったら喜んで協力したと思うね。」
 桃子 「何が面白いかわからないし、教えてくれないし。」

桃子の気持ちがよくわかる。それでも、20年も続いたのだから、桃子も少しは楽しかったかもしれない。

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| 古本読書日記 | 06:21 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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