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黒柳徹子    「チャックより愛をこめて」(文春文庫)

 芸能界にはいって以来の多忙な生活から離れて一人ニューヨークへ行き、一年間を過ごしたニューヨーク滞在記。どうしてニューヨークに行ったのか。

 「明日は何をしようか。」という生活をしてみたかったから。芸能界に入ってから、明日は何をするかはいつも決まっていた生活。そこから逃れたかったのが動機だったと黒柳さんは述懐している。

 まずは黒柳さんらしいと思ったエッセイ。

ニューヨーク滞在中、10日間ほど、イタリア、イギリスにでかけている。この時のことを毎日旅行記として日本に送る。それを読んだ読者は、あなたは食べることばかり書いているとクレームがくる。

 そこで黒柳さん、決心して、今日は食べることは書きませんと宣言する。で、その前に、この原稿をどんな状態で書いているかというとさくらんぼを食べながら書いていると始まる。そこから、このさくらんぼがどんな状態で売られていて、その値段、そしてそれがいかにおいしいかを流々説明して、食べ終わりましたから寝ますでエッセイ終了。

 アメリカは素晴らしいと感じたエッセイ。

 黒柳さんがよくいくアイスクリームの屋台。ある日そこへゆくと、お客さんと店員が話しているのだが、全部手話かゆっくりと大きく口だけを動かす。お客さんも、店員も聾唖者と黒柳さんは思う。お客さんが注文品を買って去ると、店員が黒柳さんに「何にしましょうか。」
と声をかけてくる。聾唖じゃないんだ。よく手話を知ってますねと声をかけると。自分は聾唖の人たちのための芝居をしている団体の俳優なのだという。今は夏で舞台が休止しているのでアルバイトをしていると答える。

 アメリカでは、こんな特殊な団体が劇を演じることができる。ちゃんとスポンサーがつくのだ。アメリカの懐の深さを感じた。

 黒柳さんがアメリカに滞在していたとき、ブロードウェイで最も人気を博した劇が「オー、カルカッタ」。

 この作品は驚くことに、舞台で全裸の男女がラブシーンをする。この劇のオーディションでは全裸の女性を抱いて、興奮して男物が反応する人は悉く落とされたそうだ。俳優も大変だ。それで、舞台では観客たちを興奮させる演技をせねばなえあないから。

1972年当時は日本ではまだキスシーンはしているように見せる芝居が主流だった。黒柳さんが俳優に「いいですね。毎日キスができて」と言うと、「相手が好きな人ならいいが、嫌いな人とキスをするなんて大変。何しろ6か月もキスしにゃならんからね」と返答がある。

 そういえば、ブロードウェイで劇が当たると、半年どころか、数年ロングランなんてことになることもあるんだよね。

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| 古本読書日記 | 05:59 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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