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ドン・ウィンズロウ  「ストリート・キッズ」(創元推理文庫)

 ドン・ウィンズロウの処女作。アメリカの調査活動員としてロンドンに駐在していたとき、背中を骨折。長い入院生活を送り、することがないので書いた作品だそうだ。内容は彼の経験をベースにしたものということ。想像も盛り込まれているとは思うが、アメリカの調査活動はこんなことまでするのかと驚いた。

 アメリカ、ローアイランド州のキングスブリッジ家は、地域の銀行を経営。名家であり、富豪だった。銀行ではお金、資産運用だけでなく、警察には頼めない相談を持ち込まれることが多く、その対応をしてきたが、専用窓口として作られた「朋友会」。

 その「朋友会」に上院議員で次期副大統領候補から、娘のアリーが3か月前に失踪して行方がわからない、捜索して探し出し、選挙までに連れてきてほしいとの依頼があった。

 この捜索を「朋友会」と契約している探偵のグレアムが受け、ストリート・チルドレンのグレアムの手下、主人公のニールに依頼した。

 アリー失踪、唯一の手掛かりがアリーと同級生だったスコットが修学旅行のロンドンでアリーを見かけたということ。

 更に調査をすすめると、アリーは何事も両親に抵抗、あばずれ女性となり、手に負えない状態で失踪していたことがわかる。依頼者の上院議員は、選挙前に娘が失踪中ということが知れ渡ると選挙に影響する。だから、選挙前に家族と写真におさまってくれさえすればいいというのが捜索依頼の真相だった。

 ロンドンにやってきたニールは、盛り場やクラブ、昼はホームレスが屯している公園を捜索しアリーを探す。そして、苦労の末、アリーを発見する。アリーはコリンという男が率いる麻薬売人、売春婦斡旋をする小さなグループに属していた。

 当然アリーは重度の麻薬中毒患者であり、売春婦であり、同時にコリンの恋人でもあった。
ニールはその仲間に加わり活動する。

 ここから、大きな麻薬密売や稀覯本の販売でコリンとニールの熾烈な戦いがあり、その中でニールはアリーをコリンから奪い選挙直前にボストン空港にニールとアリーは戻る。

 しかし、議員の体裁だけのための帰還。そんなアリーを議員には渡せない。

 日本でストリートチルドレンや下流民を描くと、暗く、絶望的なトーンが流れるが、この作品のニールは個性的で、元気いっぱいで楽しい。

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| 古本読書日記 | 06:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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