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スーザン・イーニア・マクニール「チャーチル閣下の秘書」(創元推理文庫)

 主人公のマギーはウェルズリー大学の数学科を首席で卒業。大学院に進み、数学の道を究めようと思っていた。舞台は1940年のアメリカ。女性がそんなことを究めても幸せにならないと信じていた養母インディーヌは、熱を冷まそうとマギーを、ロンドンにある生家を処分する名目で一年間ロンドンに行かせる。もちろんマギーは不満だったが、大学院での授業料がインディーヌには負担できず、ロンドンの家を売却することで得たお金で大学院に行くということで、仕方なくロンドンに行く。

 そのウェズリー大学で友人だったペイジがロンドンにいて、彼女を含め何人かでシェアハウスをし、ロンドン生活をスタートする。そしてこのペイジの根回し、チャーチルの秘書官デイヴィッドの推薦で、チャーチルの主に口述筆記の仕事に採用される。

 インディーヌが養母になったのは、ロンドンでマギーの両親が交通事故で亡くなったためだった。

 物語は、最初、シェアハウスでの仲間との交流や、チャーチルやその秘書官との交流が描かれる。チャーチルが首相になり、ナチスドイツに宣戦布告。これにより、ロンドンがドイツの空爆を受ける、そんな場面も描かれるが、どちらかといえばマギーの青春物語のような雰囲気。

 ところが、マギーが両親の墓参りに行くと、母の墓はあるが父の墓が無い。父が教鞭をとっていたケンブリッジ大学に行くと、父は亡くなってはいないことがわかる。このあたりから、物語の緊張感が高まってくる。

 ナチスドイツにつながっているマイケル・マーフィが、チャーチルの暗殺と同時に大聖堂爆破をもくろみ、一気にイギリスを混乱に陥れ、そこにナチスが攻め込むことを計画し実行する。

 驚くことに、チャーチル暗殺の実行者は、マギーの最愛の友達ペイジ。ペイジはマギーと一緒に生活しながら、チャーチルの言動を仕入れ、それをマーフィに報告。さらにナチスに報告がなされ、マーフィは企みの実施時期を伺う。

 この暗殺実行と、大聖堂爆破がマギーの優秀な頭脳と推理で寸手のところで回避されるところが読みどころ。面白さと緊張感で手に汗の汗が止まらない。

 マギーの前向きで明るい性格と行動が好感を呼ぶ。

日本の戦時小説は、どれも暗く、悲劇的で戦争反対が全ページを覆う。欧米の小説は、平和だ戦争反対などの押し付けの香りがあまりなく、エンターテイメントに徹する。それもいいなあと思う。

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| 古本読書日記 | 05:45 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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