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パット・マガー    「七人のおば」(創元推理文庫)

 パット・マガーは、ドイルやクイーンと同時代にかさなって活躍したことがあるアメリカ女性ミステリー作家。紹介の作品は1951年に出版されているが、この年の全米ミステリー作品トップ10の7位にランクされている。この年には、バン・ダイン、クイーン、ドイル、アガサ・クリスティの作品もランクインしている。

 パットは実にユニークな作家で、通常ミステリーというのは被害者があり、その犯人を捜査追求し最後に犯人が突き止められるというのが基本。
 処女作品は「被害者を探せ」。作品では犯人はわかっているが、被害者がわからない。ひたすら被害者が誰かを追求する物語。こんな型破りのミステリーは無い。これと同じスタイル「探偵を探せ」「目撃者を探せ」がある。異色かつ面白い作家である。

 本作品はパットの2作目。

結婚してイギリスに渡り幸せな生活を楽しんでいたサリーのもとにアメリカの友人から手紙がくる。「おばさまが夫を毒殺して、その後、自殺をした」という。しかし、そのおばさんが誰なのか書かれていない。見当もつかない、なにしろサリーには7人ものおばさんがいたからだ。

 しかも、このおばさんたち、それぞれに独特の個性があり、言動も普通と異なり、誰もが犯人の可能性があった。

 長女のクララは極端に世間体を意識。古い意識、観念で妹たちを支配しようとしている。教師生活一途で結婚に行き遅れたテッシー。世間体があり反対していたクララを振り切って離婚し出戻ったアグネス。アルコール依存症のイーディス、相手が姉妹の夫であってもどんどん見境なく迫るドリス。極端な男性恐怖症のモリー。金銭感覚が欠如していて浪費をくりかえすジュディ。

 この7人の女性の異常な行動がサリーによって語られる。これに、関係する男たちが多数加わり、外国人の名前がすんなり記憶できないから、その都度表紙裏にある登場人物名を確認しながら読む。しかし、途中から、言動、人間模様の描写が強烈で引きずり込まれ全く確認をしなくても問題なくなる。

 それにしても、7人姉妹のしゃべりは、躊躇というものがなく、直截的で言いたい放題。そのすごさは圧巻である。これが物語初めから、延々と300ページを超えるまで続く。

 私はグロッキー状態になった。
明かされた犯人についても納得感があるし、その仕掛けも見事だった。

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| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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