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乾石智子   「夜の写本師」(創元推理文庫)

1999年、教育総研のファンタジー文学大賞を受賞した、乾石の出世作品。

古代エキズウム国は魔道師長アンジストによって支配されていた。

この物語では4つの魔術方法を扱っている。
獣をあやつるウィグチス魔法。人形を操るガンディール魔法。闇を用いるマードラ魔法。本を利用するギデスディン魔法。

 アンジストはまず、女性は魔道師になれないと定め、魔道の扱いができそうな女の子は、すべて殺害される。また、魔道師になれる男性も、その呪法を全部吸収、完全に自分の支配下に置く。

 主人公のカリュドウは、アンジスト魔道能力のある育ての母エイリヤと友達だった村の娘フィンに殺される。そして、アンジストにいつか仇をとってやると決意して旅にでる。

 その過程で、夜の写本師となる。
古代には印刷技術は全くない。書物はすべてパピルス紙などに、原本を書き写して製本し本になる。想像を絶する難作業である。だから、その作業は怨念が込められ、ページを開くと魔術が沸き立つページがある。あるいはパピルス紙の切り取られた端に、言葉は書いて妖術をかける人に貼り付けると、その人を破壊してしまうということが起きる。
 カリュドウは正当な魔道を極めて、アンジストとの戦いをしようとしていたが、写本の指導者イスルイールに写本を極めろと言われ、魔道会得をあきらめる。

 そして、夜の写本師となったカリュドゥは、アンジストと対決をする。

 実は、1000年前「塩の領主」の娘シルヴァインをアンジストは暴行をして、殺している。そのシルヴァインが500年前老婆の魔道師イルーシアとなって甦り、アンジストと対決するが殺害され、100年前10代の少女ルッカードとしてよみがえりアンジストと対決するがこの時も殺害され、そのルッカードが男としてカリュドウによみがえっていた。だからアンジストは1000歳になり、その間にカリュドウは3回殺害されていたということになる。

 そして、最後のアンジストとカリュドゥの対決となる。

 物語は、最初、古代西洋世界を描いているにもかかわらず、文章が和文調で、物語の主題と文章がかみあわず読みにくかった。

ところが、最後のカリュドウとアンジストの対決は、これが同じ作家が書いたとは思えないくらい、海外古代のファンタジー色が鮮やかに表現され、見事で心が躍り一気に読んでしまった。
 だから不思議なのだが、面白く壮大なファンタジー作品である印象が強く残った。

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| 古本読書日記 | 07:35 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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