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宮部みゆき  「心とかすような」(創元推理文庫)

蓮見探偵事務所の蓮見所長、長女で事務所に勤め調査員をしている加代子、次女で美術関係の仕事を目指している高校生の糸子、それにジャーマンシェパードで元警察犬のマサが活躍する蓮見探偵事務所シリーズの連作集。

 「マサ、留守番する」が中では面白かった。

中年から老年近くなると、それまではほとんど無かったのだが、急に学生時代の同級会の開催案内が来るようになる。小学校から大学までは当たり前だけど、保育園の同窓会の案内にさすがに私は驚いた。

 こういう同級会は、そのまま学生時代に参加者を連れて行って、思春期、少年少女期に戻り、愉快で楽しいものだと思っていた。

 しかし、この作品では、今は地元の小学校の校長をしている中崎と不動産会社に勤めている藤堂が同級会で大ゲンカをする。藤堂はバブルがはじけ、勤めている不動産会社が明日にも倒産する状況で追い詰められている。一方、同級生で差もなかった、中崎が校長にまでなり名士となって現れる。これが憎いし、面白くない。

 加えて、藤堂の2番目の息子は、街の悪集団に加わり不良となり手を焼いている。この息子は小学校のとき、中崎が担任をしていた。中崎がいじめたおかげで、息子はぐれたと信じ込んでいる。

 普通は、そんな同級会には藤堂は参加しないと思うのだが、中崎に一泡吹かせようと、怒りを込めて出席する。

 長い人生を経て、大差がついた現在、そこに悔しさと怒りがこもり荒れる同級会もありえるのかと少し悲しくなる。

 この作品にハラショーという犬が登場する。飼い主が徹底的にハラショーをいじめる。食事もたまにしか与えない。やせ細ってゆく。ハラショーはいくらでも逃げる機会はあった。
 そして、ある日飢餓のまま死んでしまう。
いじめられても、ご飯が食べられなくても、主人に忠誠をつくしきるハラショーの姿。感動もするが痛々しい。

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| 古本読書日記 | 05:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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