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小川洋子 東川篤哉他   「世にも不思議な動物園」(PHP 文芸文庫)

 動物をテーマに5人の作家の作品競作集。
結構シュールな作品が多く評価が難しい。その中でもわかりやすかったのが東川篤哉の「馬の耳に殺人」

 深夜零時ごろ、太田と白崎は車で田舎を走っていた。コンビニにより酒を買い込み、車に戻ろうと夜道を歩いていると、反対方向から馬が猛スピードで走ってくる。すんでのところで体を躱してよける。馬には競馬の騎手のような体勢で男が乗っていた。

 翌朝、高校に行こうと陽子が家をでると、馬が一頭通りを歩いている。馬は清水牧場で飼っているロックだ。陽子はロックに乗り学校へ行こうと思いロックにまたがる。しかし、ロックは学校へは向かわず、反対方向に走りだす。そして通りから離れて、黒沢沼に向かう。

 黒沢沼でロックは止まる。そのロックの脇に男性が倒れ死亡していた。清水牧場のオーナー清水隆夫だ。それに、牧場で働いていた村上が行方不明になる。

 陽子の家も牧場を経営している。ここにルイスという15歳になるサラブレッドがいる。
この作品の名探偵がこのルイス。

 滋賀の栗東トレーニングセンターで調教されていた関西馬で陽子にたいして関西弁で話す。もちろん陽子以外には、聞こえない。

 ルイスは、陽子が小柄なのにあぶみの位置がぴったりあっていること、太田、白崎が見た馬上の人間が、腰を浮かせ気味で、競馬のジョッキーのようなモンキー乗りをしていたことから、推理する。

 ロックに騎乗していた人は、騎乗する前に殺され死亡していた。殺されたときは、椅子に座らされていて、殺されても同じ状態で放置されていた。やがて死後硬直がはじまり、椅子に座った形で、ロックに乗せられた。

 だから鐙の位置は、小柄な陽子に合っていたし、騎乗している姿が競馬のジョッキーのようだったのだと。

 さすが、一流ミステリー作家の東山。仕掛けの構図が見事でしかも美しい。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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