FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

石井好子    「私の小さなたからもの」(河出文庫)

石井さんは、日本シャンソン歌手の草分けで大御所。

1950年、戦争直後アメリカに旅立ち、サンフランシスコでジャズやダンスを習い、そこからニューヨークに行きシャンソンを習ったり、ブロードウェイで観劇をして暮らし、その後大西洋を渡り、パリにゆき、そこで小さなクラブにスカウトされシャンソン歌手としてデビューする。日本だけでなく、ヨーロッパでも名を馳せたシャンソン歌手である。

 この本は、エッセイストでも活躍した、石井さんのエッセイ集。

 石井さんは生涯自動車免許を持たなかった。
しかし、戦争直後、東京三田の教習所に通った経験がある。

そのころはタクシーも木炭車といって、背中に木炭を背負い、それを燃やして走っていた。当然教習所の車もすべて木炭車。何もない占領下だったから、車はがたがた、扉も閉まらないものが多かった。だから、ギヤを入れ、アクセルを踏んでも走りださず、胴体がブルブル震えるだけ。また、運よく走りだしても、ブレーキは、よほどコツをつかんで踏まないと車は止まらない。また、急ブレーキと踏み込んでも、その通りに車は動作をしない。

 それで、石井さんは5.6回教習所に通ったが、こんな状態で免許をとっても、運転するような車が無いということで、免許取得は無駄と思い、教習所をやめた。

 しかし、こんな状態で、どういう基準で免許が取得できたのだろうか。現在の車社会では想像できない時代があったのだ。

 石井さんは女生徒のころルパンに熱中して読んだ。ストーリーの面白さもあるが、それより颯爽と活躍するルパンに憧れ、ルパンのような男性を恋人にしたいと思ったから。

 ルパン。私も読んだが、「地獄罠」や「ルパンの結婚」などでは、ルパンが事件の解決で追い詰められると、美女が、いつもルパンに寝返って、危機を脱出して事件を解決した。

 私には嫉妬心がおこり、都合よすぎるじゃないかといつも読み終えると怒りを少し覚えた。

 石井さんも、40年後になってルパンを読み直してみたが、その都合のよさに引いてしまったと書いている。そうですよ。ようやくルパンの本性を知りましたかと私はほくそえんだ。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT