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津村記久子    「この世にたやすい仕事はない」(新潮文庫)

 主人公の私は、就業、失業を繰り返している。就職するが、会社側の都合だったり、自分には合わないと思ったりして、一年位勤めては失業して、ハローワークに職を求めて通う。

 ハローワークには親身に相談にのってくれる相談員の正門さんがいる。
それにしても、小説だから仕方ないと思うが、普通は勤め始めたら、少し辛くても我慢して働こうと思うものだが、時代背景なのかころころ転職しても再就職できるから、こんな小説ができるのだろうか。

 これは面白そうと思って読み始めたのが2作目の「バスのアナウンスのしごと」だ。

主人公の私の住む街には、循環バスの「アホウドリ号」が走っている。停留所と停留所の間に、近くの店の宣伝をしている。

 こんな感じ。
「私のお店、もう少し広いほうがお客さん来るかな?子供が大きくなったから、そろそろ住み替えなくっちゃ。そんな時は、丸本ホームにご相談を!看板のゴリラ君も、丸本ホームにお願いしてよかったって!ウホウホ。」

 広告募集は、タウン誌や回覧板にのせる。それで、応募があると、店の特徴を聞き出し、それを織り込んで私に仕事を教えてくれている江里口さんが原稿を創る。

 停留所間で広告が収まらねばならないので、三つまでの広告が流れるようにする。

江里口さんの原稿ができると、経理部にいる香取さんがいやいや言いながら、可愛らしい声で吹き込んでくれる。それを「アホウドリ号」に送信する。

 この仕事についたとき、上司の風谷課長より、江里口さんにおかしいところがないか見張って、報告をしてほしいと言われる。どんなこと?聞くと、課長は
 「ないじゃないかと思っていたら、ちゃんとあったりするし、なくなってしまったら、本当になくなってしまうし。」とわけのわからないことを言う。

 変なことを言うなと思って観察するがどういうことかわからない。

ある日、江里口さんが原稿を書いたフラメンコダンススタジオ、私がバスで場所を確認してみると、そんなスタジオは無い。しかし、黄色の膜がはられ、スタジオになると書いてある。そして、そのスタジオ広告が消されると、スタジオは閉店。また広告をアナウンスするとスタジオが復活する。

 江里口さんが絡むと、こんな状況を繰り返す店ばかりになる。

これは、面白い。津村さんは、この落とし前をどうつけるかと読み進むと、突然話は、不審者小学生通り道に出没する話に変わり、落とし前はつかずに物語は終了。拍子抜けした。

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| 古本読書日記 | 06:07 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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