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櫻井よしこ    「日本の未来」(新潮文庫)

 この本は2015年の、世界情勢、政治情勢を背景にして書かれている。まだトランプは登場していない、オバマの時代。

 2015年当時は中国が、南シナ海の海を自国領土と宣言して、埋め立て地をどんどん作り、軍事基地化した。また、中国主導の国際的投資銀行(AIIB)を設立し日本、アメリカはこの投資銀行に加わらなかったが、多くの国々、とりわけイギリスをはじめ欧州各国がこの銀行に参画し、領土だけでなく金融面でも覇権を握ろうとする中国のプレゼンスが急激に増した時代だった。

 現在でも一帯一路政策など中国の野望は当時と変化は無いが、オバマ大統領が中国と融和を第一の政策として掲げ、中国の野望に対し何の対応もしなかったが、トランプ時代となり様相が少し変化してきた。

 トランプは中国に対峙し、物も言うし反中国政策を推進しようとしている。2015年当時は高慢な態度ばかり目立った習近平が、最近おろおろしている態度が目立つ。その変化には驚く。

 オバマまでは、日本が軍事力増強したり憲法改正をしようとすると、必ずアメリカが干渉してきて不快感を示してきたが、現在は日本は独立国家として独歩道を歩んでもよいというふうにアメリカが変化してきた。

 本書は2015年の状況を反映して、中国の覇権主義を一貫して非難。日本の対応について情熱をこめて論じる部分が大半になっている。

 その中で、注目したいのが農協改革についてである。
驚くことに長野県川上村の農民は農協から脱することにより、高級レタス生産販売で2500万円/軒の収入を実現している。

 農協には、実際農業に従事している正会員が467万人、一方農協より生活用品などを購入している準会員が517万人いる。農協ではこれらの会員を中心にJAバンクにお金を集め、郵便局を除けば、資金量は90兆円で、三菱UFJに次ぐ第2位のメガバンクとなっている。

 しかしその資金は正会員への貸し出しはわずか2%、準会員に30%、残りは有価証券運用か株式投資である。

 各地域農協の理事を占めるのは、その地域の農業従事者で経営感覚など殆ど無い。しかも、人員は農業が盛んだったころの人数で運営しているため、人件費が嵩み、結果農家へ販売する農機具の価格が、市価の40%増しになっている。

 何しろ、農業従事者の数より、農協職員の数のほうが多いと言われているのだから。

 農産品の市場を開放すると、農業は致命的打撃をうけるというが、2014年から15年で比較すると輸出は畜産品で5.1%,穀物が35%、野菜果実は44%も増加している。

 官僚組織より硬直化が進んでいる農協の頚城から、少しでも農業を解放してやれば、農業の明るい未来が見えてくるのではと思う。

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| 古本読書日記 | 06:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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