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有栖川有栖    「論理爆弾」(講談社文庫)

「ソラシリーズ」の第三弾。

このシリーズ、大戦後北海道が日ノ本共和国となり社会主義国として独立。日本とは戦争状態にある。それから、民間探偵が法律により禁止。あまり、あり得ないと思われる状態でミステリーがシリーズで紡がれる。

 この作品までに2作あるが、物語の前提がうまく消化できず、どうしてこんな前提が必要なのかわからないまま3作目を迎えた。
 やっとこの作品で、その前提が何のためであったのか、消化できた。

犯人をつきとめるのに、最も困難なのは、犯人が殺された被害者に何も関連が無い場合である。犯人の動機が、ただ人を殺してみたかっただけという場合。通り魔殺人のように同時に何人も殺傷した場合は犯人は逮捕しやすいが、日をおいて一件、一件独立して殺害を行った場合は犯人を発見するのは難しい。

 この作品は、主人公空閑静が失踪した母親の行方を追って九州の田舎深影村にやってきてから3日間に3人が襲われ2人が殺される。1人は側溝に突き落とされ命はとりとめたが、重傷をおう事件が起きる。更に5年前に一人が事故で処理されているが、崖から飛び降り死んだ人がいる。

 そして、側溝に突き落とされた人の家から、静に事件捜査の依頼がある。
探偵行動は法律禁止である。実際に、静の父は探偵活動がばれて、逮捕され刑務所に収監されている。

 静の捜査に緊張が走る。犯人を明らかにしても、それを言い出すことはできない。そんなことをしたら法律違反で逮捕されるから。この緊迫感が読者にはたまらない。

 更に、犯人単独では、事件は起きない状況。誰か共犯がいるはず。その共犯者が村の駐在所の巡査。彼は、日本と敵対する北海道日ノ本共和国の支援者ということで物語が収斂する。

 そうか、有栖川はこの物語のために、前2作を創ったのか。

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 このシリーズの次の作品(もう出版されているかもしれないが)が心待ちになる。

| 古本読書日記 | 06:52 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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