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穂村弘  「あした世界が終わる日に一緒に過ごす人がいない」(河出文庫)

 この作品、恋人がいない作者が、出会いがあり、それから恋に発展し、そして別れがきてまた独りぼっちになってしまう過程を詩で描いた作品と思える。
 2人の心が完全にピタリとはまり恋が生まれた時の詩がぐっとくる。
    
 「それはよく晴れた真夏の」
 それはよく晴れた真夏の朝のこと
 ぼくたちが
 大きなスクランブル交叉点に通りかかると
 ひとっこひとりいなかった
 この交叉点に誰もいないなんてめずらしい
 めずらしいね
 うん
 あれやってみようよ
 あれ
 うん
 セックス
 ちがーう あれだよ、いまならできるかも
 そういってあなたは
 交叉点をわたって
 三千里薬品の前まで走っていった。
 手を振っている
 きらきらと
 それはよく晴れた真夏の朝のこと
 交叉点のむこうとこっちで
 ぼくたちは
 横断歩道の白いペンキの端に爪をかけて
 指先と両腕に力をこめて
 せーのっと
 スクランブル交叉点を
 持ち上げた

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| 古本読書日記 | 06:15 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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