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有栖川有栖    「海のある奈良に死す」(双葉文庫)

 サブリミナル効果という言葉がある。

見たり聞いたりしたことを認知させないまま無意識的にその刺激に従い行動させるような方法とその効果を表す言葉である。1956年に制作された映画「ピクニック」で、場面、場面で「ポップコーン」と「コカコーラを飲め」という文字を瞬間的に文字で走らす。この手法により、ポップコーンは57%以上、コカコーラは17%以上前年より売り上げが伸びた。現在ではこのようなサブリミナル広告は消費者の意志をねじまげるものとして法律で禁止されている。

 この作品の殺人犯は、映像制作会社に勤務していて、被害者は準社員であり、殺害者の部下。

 殺害者は青酸カリのはいっているウィスキーを贈る。しかし、被害者はアルコールを飲まない。そのまま飲まずに、他人に渡ったら、大ごとになる。殺害者は絶対に被害者にウィスキーを飲んでもらわねばならない。

 どうやってやるのかわからないが、犯人はレンタルビデオ屋からあるビデオを借りてきて、これをダウンロードして、それにサブリミナルを仕込んである同じビデオにかぶせる。

 そのビデオには場面、場面で瞬間的に贈ったウィスキーボトルが走る。

 サブリミナルビデオをレンタルビデオ屋に返す。
そして、被害者に明日の映像作成のために、そのビデオ屋からサブリミナル映像になっている作品のタイトルを言い、必ず明日までにビデオを借りて観ておくように指示する。

 被害者は、ビデオ鑑賞後、飲めもしないウィスキーを無意識に飲んでしまう。
面白いトリックだし、名探偵火村犯罪心理学准教授がこのトリックに至るところが緊張感があり素晴らしい。

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| 古本読書日記 | 06:10 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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