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綾辻行人     「殺人鬼 Ⅱ」(新潮文庫)

 物語の冒頭にⅠ巻で登場した「双葉山の殺人鬼」の紹介がある。これが読者に刷り込まれるようになっている。
  姓名:不明  性別:男性と思われる  年齢:不明 出生地:不明 身長:2M前後
  体重:120KG前後 性格:狂暴、残忍、冷酷 怪力

しかも、物語に入った直後、この殺人鬼が早くも登場して、冴島という刑事一家を襲う。

 その殺人鬼
「異形の肉塊。かって顔中にひどい火傷を負ったものと察せられる。爛れてぎらぎらになった皮膚に、泥とも垢とも血ともつかぬ赤黒い塊が、斑模様を描くようにこびりついている。中央に盛り上がった肉が、かろうじて鼻の形をとどめていた。・・・・2M以上もあろうかという巨体だった。」

 殺害方法は、腕や胴体に噛みつき体を食いちぎる、怪力で骨をボキボキと折り破壊する。
また主人公の少年真実哉がその正体をみるのだが、殺人鬼は沼に入ってゆき顔だけ水面上にでている。沼に住んでいる。

 綾辻は、叙述トリックの名手。どこかに、読者を錯覚させる叙述があるのではと注意して読むが、発見できない。それよりもスプラッター小説として表現は恐怖と血がねっとり、その凄さにこの作品は、ミステリーではないのではと思った。

 その後、殺人鬼が白河外科病院に現れ、事務員の冬木や、看護士のさやかが襲われ、真実哉の従弟和博を襲い死傷させる。

  白河外科病院での殺人鬼の殺害の描写が、冴島一家殺害の時と異なり不思議に思う。
巨大、異形な容貌、怪力の表現が無く、刃物や斧や木刀を使い殺傷する。しかも、植物人間の状態で襲われた誠二郎が、ベッドで横たわっているのだが、靴をはいている。と首をひねる表現が続く。

 物語のクライマックス。沼より「双葉山の殺人鬼」「ほんものの殺人鬼」という表現で殺人鬼が登場する。

 ここでまた綾辻にやられたとショックを受ける。物語には複数の殺人鬼が登場していた。
ちゃんと双葉山の殺人鬼は「双葉山の」とか「ほんものの」をつけて区別されていた。

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| 古本読書日記 | 06:33 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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