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有栖川有栖   「真夜中の探偵」(講談社文庫)

この作品での現在の日本。第二次大戦でアメリカに負けたのだが、1945年8月15日に敗戦になったのではなく、戦争はまだ続く。

 結果、北海道は独立。日の本共和国となり社会主義国家で、日本と戦争状態にある。1945年9月には京都にもアメリカの原子爆弾が落とされる。

 日本と日の本共和国は対立状態にあるのだが、実は裏で秘密協定でつながっているのではと作品では語られる。それはブラキストン・コンフィデンシャル(BC)と言われているが、実際は不明だ。

 さらに、民間の探偵活動が法律により禁止される。警察は権力に結び付き、権力の意向により、取り締まり捜査の手を抜き、犯人を捕まえない。ところが民間の探偵が真相をつかみ、犯人をみつけだす。これはたまらないということで活動禁止にするわけだ。

 しかし、かなり違和感がある。民間の探偵など、浮気調査くらいをするだけで、とても事件捜査をして真相をつかむなどという大がかりな捜査能力は無く、市場も小さく、政府が法律まで作って禁止するような状況ではない。

 大上段にふりかざした前提。これと発生した事件との関連が、間接的にはあるのだろうが、ふりかざすほどの強い結びつきが薄い。
 こんな大げさ前提なしに、普通のミステリーとして書いたほうが、アリバイ崩しのトリックに読者も集中できたのではと思う。

 もうひとつバランスに欠けた作品だった。

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| 古本読書日記 | 06:40 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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