FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

高山文彦    「麻原彰晃の誕生」(新潮文庫)

 オウム真理教教祖、先に死刑執行をされた麻原彰晃、本名松本智津夫の生い立ちから、地下鉄サリン事件を起こすまでの遍歴を綴ったノンフィクション。

 悪の教祖と誰もが見ている。驚いたのは、彼の周辺をあたると、隠す素振りは無く、関わりあった人は彼についてよくしゃべる。しかし、大事件を起こした人だから、どうしても超変人としてみんなが語る。確かに、変人ではあるが、そのことが大事件を起こすことの背景にあったのかはよくわからなかった。大事件をおこしたから、変人だったと語っている部分も感じる。

 1987年「オウム神仙の会」が名前を変え「オウム真理教」という宗教法人となった。

80年代後半は。チェルノブイリ原子力発電所事故や、ノストラダムス終末予言により、空前のオカルトブームが起こった。快楽と恐怖が共存しながら終末へとむかう。それに拍車をかける雑誌「ムー」をはじめ、オカルト関連雑誌や本が書店に所狭しと並んだ。

 麻原彰晃は、当時の多くの人々自身の投影だったように感じる。

岩手県釜石市に流れ込む甲士川に餅鉄よばれる鉄の原石がある。これを奇蹟の鉱石と称して麻原はヒヒイロカネと呼ぶ。
 ヒヒイロカネを得たことが、麻原を大きく変える

 このヒヒイロカネを使い、シャクティーパットという方法で麻原は奇跡を起こす。仰向けになった信者の額に親指をこすりつける。このとき信者はヒヒイロカネを持っている。しばらくすると、尾骶骨あたりにあるクンダリニーと言われる生命の根源エネルギーが覚醒され信者は完全に瞑想状態にはいる。尾骶骨あたりが火にあぶられたように熱くなり、そのうちに夢心地になり完全に悦の状態になると麻原のセミナーを受講した人たちが言う。

 麻原はヒヒイロカネにより、幽体離脱をしたということも喧伝する。

サリン事件を起こす少し前、事件により自分は警察に捕まるが、そこを離脱して、自分は解脱者メシアとなり、地球の支配者として再び登場すると信者に宣言している。

 麻原は、俗人ではなく、自分こそ真のメシアであると、最後は信じ切っていたのだろう。

今の世の中、十分注意をしていないとまた麻原のような人を生んでしまう。
 なにしろ奇蹟の鉱石ヒヒイロカネはアレフと名をかえて、信仰のもととして崇めている宗教集団が今現在存在しているのである。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ



| 日記 | 06:13 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT