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浅田次郎   「わが心のジェニファー」(小学館文庫)

主人公のラリーは、ウォール街の投資会社のサラリーマン。上流階級に属する人間である。
ラリーは祖父母に育てられ、両親を全く知らない。

 ラリーが恋人ジェニファー、コロンビア大学をでた才媛で美貌の持ち主。ラリーが彼女に結婚の申し込みをすると、結婚の条件として、ジェニファーが大好きな日本に旅行して、その感想を報告することが言い渡される。そして丹頂鶴のダンスをみてくることが結婚の必須条件となる。変わったことをジェニファーが言うなと首を傾げ読み進む。

 日本にやってきたラリー。東京から京都へ。京都ではジェニファーがありながら日本女性と一時の恋を体験。その後大阪で大衆料理を堪能。温泉を経験せねばと別府にわたる。ここでオーストラリア出身の、20年間ひたすら温泉めぐりだけをしているおじさんに会う。

 そして、東京に帰り、数日滞在の後、ニューヨークに帰ろうとする。
ここまで、アメリカと日本の文化習慣の違いを際立たせ、浅田得意のユーモアや、箴言があり、これは外国人からみた日本を扱う物語なのかと思わせる。

 ところが東京に帰って、地下街でゲームをしている少年に会い、その少年に導かれて、少年が住むタワーマンションの部屋を訪れる。少年の母親が、東京を案内。そこで食べた鮨のウニに感動して、本場は北海道だと知る。そのウニの誘いもあったのだが、少年の母親が北海道の出身で、アメリカに帰る前に故郷の丹頂鶴のダンスを見に行ってほしいとお願いされる。

 ジェニファーから丹頂鶴のダンスを見てきてほしいとは言われていたが、日本は縦に長く、ラリーは西に向かったため、北海道に行く時間がなく、北海道行きは断念していた。

 しかし、ウニと母親のお願いに誘われ、釧路にでかけた。
ウニを含めて魚を目いっぱい食べようと、ホテルの推薦の炉端焼き屋にゆく。そこで編み物をひとりでしている老婆に会う。その老婆が明日、ラリーを湿原に案内して、丹頂鶴のダンスを見せてあげるという。

 そこからのクライマックスが素晴らしい。鶴を鑑賞にゆくまでの、仕掛けも見事。でも、そこは読んで確かめてほしい。

 編み物のおばあさんの言葉が印象深い。
「いいかねラリー。結果を求める人生に幸福はないんだ。こうして好きなことをしていればいい。」

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