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村上龍    「半島を出よ」(上)(幻冬舎文庫)

この作品は2006年に出版された。その時点で2011年がどうなっているかを描く近未来小説になっている。

 安倍首相を評価する人々には、安倍外交の成果を強調する人が多い。安倍首相のような積極外交をできる人はいないと。
 しかし、世界中を政府専用機をふんだんに使い、飛び回っている行動の派手さに比べ、成果は殆ど無いように思う。

 トランプ大統領が誕生したとき、へつらうように大統領の自宅まで飛んで行き、トランプと最初に話をした外国首相として宣伝、その後安倍トランプは強固な絆で結ばれていると自画自賛したが、本当にそうなっているかはかなり疑問だ。

 鉄鋼製品、韓国のほうが日本よりアメリカへの輸出額が多いのに、韓国製品は関税そのままで、日本の製品には25%の制裁関税が課せられた。今日本アメリカ二国間の貿易交渉が行われようとしているが、安倍トランプの絆により、トランプの圧力が弱まったり、その圧力を跳ね返せれるかはミゼラブルな状況だ。

 北朝鮮の拉致被害者を取り戻すことを確約し、金正恩と直接会うと言っているが、全く見通しがたっていない。口先ばかりである。

 プーチンとは首相就任以来22回も会談して、プーチンとはすばらしい良好な関係を築いているというが、北方領土問題は全く解決の兆しはない。

 この作品は、日本が崩壊に向かう過程にあることが前提にした物語。村上は今の日本をみて、このままでは日本崩壊になることを確信している。

 物語の舞台である日本の状況。日本が信じているアメリカは、日本ではなく、大事な国は、中国、韓国であり、更に北朝鮮についても良好な関係を築こうとしている。日本駐留米軍は削減され、安保条約破棄を日本に迫っている。アメリカから輸入する食料、飼料は35%も価格をアップする。

 円は弱くなる。だから、インフレは極端に進行。円を支えるために、買い支えるが、その外貨準備金も底をついている。国内は大不況。ホームレスは溢れ、失業率は9%を超える。自殺者も年間9万人。消費税は20%近くまでアップされる。

 アメリカに見放され、孤立化が進み、大不況のなかにある日本の福岡に、北朝鮮のコマンドが襲来し、福岡を占拠する。

 日本政府は、コマンドと戦うと、それにより多くの日本人の犠牲がでることを恐れ、九州を封鎖するという対応をとる。ここからストーリーはスタートする。

 現在日本は村上が描いた状況にはなっていないが、何か衝撃があれば、即村上が想像したような国の有り様になるのではと思えてしまう。恐ろしいことだ。

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| 古本読書日記 | 06:22 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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