FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

堀川アサコ   「幻想短編集」(講談社文庫)

幻想シリーズといえば、名作「幻想郵便局」それに「幻想探偵社」。この短編集は、郵便局を不思議な風景として登場させているが、主な活躍場所は探偵社で、幽霊と人間世界を行ったり来たりしている、大島探偵と主人公の中学生楠本ユカリの活躍が描かれる。

 登天郵便局に手紙が届く。

三上冬美という女性あての田浦レミという女性からの手紙。田浦は三上を心底嫌っている。宝船ミスコンテストで田浦は自分のほうが美人でスタイルもいいのに、劣っていると思っている三上がミスに選ばれたことに何で自分が準ミスなのか納得できない。三上が裏で工作したに違いない。最低な女。三上に必ず厳しい仕返しをしてやるとの脅迫状。

 その後、三上に「命が惜しかったら佃陽一と別れろ」と脅迫状がくる。そこで、三上は幻想探偵社を訪ねる。

三上が朝目を覚ますと大事なぬいぐるみがぎざぎざに引き裂かれている。誰かが忍び込んだのだ。三上が駅で電車を待っていると、突然男に突き飛ばされ線路に落ちそうになる。三上を尾行していた大島が犯人を捕まえる。顔をみると若い優男。なんと恋人佃陽一だったのだ。

 三上冬美は佃から愛の告白を受けていた。一方でミスコンテストを争った田浦は佃が好きでたまらない。それにしても、どうして大好きな三上を恋人佃が突き落とす。

 実は三上は上司の猪狩部長から言い寄られるパワハラ、セクハラを受けていた。思いを遂げるため、派遣社員だった佃の契約を、自分の命令通りに動かないと契約を更新しないと脅迫され、脅迫状を作ったり、ぬいぐるみを裂いたり、プラットホームから突き落とそうたりしていた。そして、恐怖の渦中にある三上冬美を猪狩が助けるようにして、猪狩になびくことを目論んでいた。

 とんでもない部長である。しかし、こんな部長が実在していても不思議では無い今の時代にぞっとする。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ



| 古本読書日記 | 05:49 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT