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村上龍    「あの金で何が買えたか」(角川文庫)

最近は兆円という単位が当たり前のように見聞きするようになった。億までは実感があるが、兆となると現実感が乏しくなる。

 バブルがはじけた時、いくつかの銀行が倒産はしたが、金融システムを守るためという名目で60兆円のお金(税金)が銀行に投入された。この本では、各銀行に投入されたお金や当時破綻した山一証券、そごうなどの負債額が、他のものに置き換えたらどんなものに使えたかを絵本により表現している。

 金額だけをみていたら実感が薄いから、どれだけのことができるのかを絵によって明らかにしたと自慢気に書いているが、それがどんな意味を成すのか、私としては首をかしげる。

山一証券の負債総額は二千三百億円。山一証券が倒産時、BMWがロールスロイスを購入した。その金額が九百五十億円。山一証券の負債総額でロールスロイスが軽く買えたのである。

 旧富士銀行には一兆円の公的資金が注入された。同じとき、アメリカのマスメディア企業タイムワーナーがCNNを購入している。それが九千五百億円。もったいないと思うだろと村上は言いたいのだ。

 算出根拠はわからないが、ボルドーのワイナリーを買い占めると12億円。敬老の日に65歳以上の人全員をすし食い放題、酒飲み放題で招待し、元気になってもらい医療費を削減する。この招待に係る費用が2000億円。

 そして、これも算出根拠不明なのだが、この本が出版された2000年当時、アメリカの不動産王トランプを購入したら、その額は八十六億四千万円。安いか高いかよくわからないが、あまり欲しいとは感じない。

 しかし、村上ならではの、銀座高級クラブの美女を愛人に持つ。この究極の愛人にかかる費用は初期投資で10億円だそうだ。あほらしい。

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| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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