FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

村上龍    「ラッフルズ ホテル」(集英社文庫)

同名映画のノベライズ版。この本は1989年に出版された。同じ頃、よくシンガポール、マレーシアに出張ででかけた。

 ラッフルズホテルのアーケード街に何回か行った。モームや、コンラッド、ヘッセ。キップリングが馴染みだった、ロングバーやライターズバーにも行った。彼らになったつもりで、カウンターにもたれて、カクテルを飲んだ。

 仕事仲間と中華レストランにも行った。味はあまりおいしくなかった。
 玄関を背に、早見優がグラビア撮影していた。

高度成長時代は未来が明るくみえ幸な時代だったと、懐古主義の人たちがよく口にする。しかしこの本が書かれたバブル時代の方が、高度成長時代より、圧倒的に華やかで、幸福感絶頂の時代だった。

 萌子は女優。しかし、そんなに売れているようには思えないし大した女優ではない。その萌子がカメラマンの狩谷を追いかけ、ニューヨーク、シンガポールに行く。
 とても贅沢ができるほどお金があるとは思えない女優なのだが、バブル時代は多くの人たちが考えられない贅沢ができた。

 ラッフルズホテルに宿泊。専属の旅行案内人が派手なクラッシクカーでどこへでも案内してくれる。
 宿泊は最上階の最高の部屋。ケネディーズルーム。ヘミングウェイ作品の映画「キリマンジャロの雪」「日はまた昇る」に主演した大女優がパンティーを置き忘れた部屋に宿泊し、
350万円を払って、部屋いっぱいに蘭で埋め尽くす。

 一方相手の狩谷は、カメラマンは廃業していて、ITを中心にした投資会社を起こし大成功。女中を抱え、シンガポールの豪邸に住んでいる。

 マレーシアのフレイザーヒルにも豪華な別荘を所有。
狩谷が逃げ、萌子が懸命に追いかける。そして、マレーシアの別荘で2人の人生は死ぬことで破綻する。バブルがはじけたように。

 アメリカン ジャズ エイジに盛んに書かれた三文小説にそっくりの内容だ。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 古本読書日記 | 06:23 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT