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村上春樹  「ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック」(中公文庫)

フィッツジェラルドについて綴った村上のエッセイを収録。更にフィッツジェラルドの短編2編を収録している。

 村上はアメリカ文学史の中で、もっともアメリカらしい作品を3つあげるとしたら、次の作品であると言う。
 メルヴィルの「白鯨」。フィッツジェラルドの「グレート・ギャッツビー」それとサリンジャーの「ライ麦畑のキャッチャー」。

 この3作品にはその方向において3点の共通の方向性がある。
①志においては高貴であり、②行動スタイルにおいては喜劇的であり、③結末は悲劇的であるという3点。

 高校のとき映画「華麗なるギャッツビー」をみて感動した覚えがある。すぐに「グレート・ギャッツビー」を購入して読んだが、脚本がデフォルメしたりする部分が無く、小説に実に忠実で素晴らしい脚本だと感心したことを思い出す。それで脚本をみたら、あのフランシス・コッポラ。なるほどと納得した。

 フィッツジェラルドは44歳で亡くなるまでに、160もの短編を書いている。しかし、中味は薄く評価できるのは40余りだ。

 とにかく結婚したゼルダと放蕩の限りを尽くした生活をした。銀行口座を持たず、数百万円を2日から3日で使いつくす。それで、いつも金が無く、そのうちにゼルダが神経疾患を患い、その治療費用も嵩み、借金を積み上げた。

 だから、3文雑誌に程度の低い短編を書きまくった。原稿料は4000ドル/作と決まっていた。
 フィッツジェラルドがヘミングウェイに言っている。「俺たちは4000ドルの娼婦だな」と。

 この本では、駄作の典型短編と、秀逸な短編1編ずつ収録されている。確かに秀逸として収録されている「リッチボーイ」は素晴らしい。

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| 古本読書日記 | 06:58 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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