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垣根涼介    「ゆりかごで眠れ」(上)(中公文庫)

 小説の感想は、下巻の感想でまとめて書く予定。

主人公のリキは日系2世、コロンビア産の麻薬売買マフィアの頂点にまで昇りつめている。しかし、表向きはコーヒーや花の輸出商売の会社をつくり経営している。

切り花の国際見本市が、首都ボゴタの新市街で行われていて、リキは、各国のバイヤーを連れて街の観光案内をしていた。観光地の一つサンフランシスコ協会の前を歩いていると、幼い兄妹が「お金をください」ととりついてくる。しかし、やらない。一旦お金を渡すと、同じようなうすぎたない浮浪児たちが雲霞のごとく現れるからだ。

 次の日、また同じところを通ると、また兄妹がいる。兄が「妹の描いた絵をかってくれ」と言う。「百ペソでいい」。百ペソでは飴玉くらいしか買えない。 

 絵をみると、黒い花が描かれている。稚拙だが、花びら、花弁、茎、葉がきちんと描かれている。リキはそっと2000ペソを渡し、食事だけでなく、絵具を買いなさい。明々後日また来るから、絵をその時みせてくれ。と言ってわかれる。

 明々後日そこを通り、色んな色で描かれている絵を1000ペソで買う。
そして、花に背景をつけなさい。教会を背景にしなさい。すると、絵を買ってくれる人が現れるから。と言う。

 それで、また教会の通りを歩いたが、兄妹がいない。探すと、兄妹の妹カーサをみつける。
カーサに聞く。「兄はどうした」と。
 カーサが叢にリキを連れてゆく。そこに血まみれになって殺されている兄を発見する。

リキはカーサを引き取って育てる。
 しかし、カーサはリキ以外の人には、怖がって、決して近付こうとしない。弱りきったリキは精神科医のところにカーサを連れて診てもらう。

 精神科医がカーサにリキをはじめ4人の人の絵をかかせる。

 その絵をリキにみせてこれらの絵の特徴がわかるかと聞く。
リキはじっとみつめるが「わからない」と答える。

 精神科医は言う。
「普通4-5歳までの子が描く人物には首が無い。顔からいきなり胴体となる。しかし、この絵には4人とも首がついている。大きな精神的ショックを受けた子は観察力が異常に高くなる。普通の子はリラックスしている。こういう子は首は描かない。しかし、緊張して警戒心が強い子はしっかり観察して首を描く。」

 驚いたが、なるほどと納得した。

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