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岩瀬達哉     「年金大崩壊」(講談社文庫)

この本は、年金が大きな問題として表面化した2001年ころ行った取材がベースになっているため、現在とは少し事情が異なるかもしれない。

 2050年が、現役世代が年金受給世代を支えるピーク時を迎える。岩瀬の分析によると、今の制度のままで、その時でも、持ちこたえることができると主張する。今は少子高齢化が急激に進み、このままでは年金制度が破綻すると喧伝するために、厚労省がデータをねつ造して、国民に刷り込み、掛け率を上げようとしたり、年金支給年齢を上げることを国民に仕方ないと思わせるプロパガンダをしていると岩瀬は断じる。

 この本を読んでおかしいなと思うのは、年金というのは、老後の生活を保障するために、個人が積み立てたお金。だから、その所有は積み立てた個人にあり、それを管理することを社保庁に委託しているのが構図なのに、このお金を社保庁の経費に多くを使用していることである。

 本来、社保庁の事務費、諸経費は、きちんと予算申請を財務省にして、国の経費として支払うべきものである。ところが、1999年発生した経費1138億円のうちなんと860億円が年金掛け金から支払われている。

 年金事務のコンピューターシステムの管理費用、他の省庁のシステムは100億円ほどなのだが、社保庁の費用は500億円もする。しかも、この費用はNTTの独占。そしてNTT関連企業には11人も社保庁から天下りしている。

 社保庁に、OB組織のために社会保険協会と社会保険健康事業財団というのがある。この2団体は、全国にある社会保険事務所に場所を借りて業務をしている、しかし家賃は支払っていない。

 ここで、でた収益9億3000万円を社保庁は裏金として上納させている。それで社保庁幹部の遊興費、裏給与、ゴルフ代に流用している。

 役人は一旦手にいれた利権、裏金集金システムは絶対手放さないようにする。遊蕩生活の水準を落としたくないからである。

 更に年金は目の前にお金が自然と積みあがるシステムである。どうしてもお金を見ると、自分たちのために流用しようという誘惑を抑えることができない。

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| 古本読書日記 | 06:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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