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高橋和夫   「アラブとイスラエル パレスチナ問題の構図」(講談社現代新書)

イスラエルがどのような背景で、生まれたのか。そのイスラエルとパレスチナの関係、さらにアラブ世界がどうかかわり、それに大国がどのように関与してきたかを、時系列整理して解説した作品。

 私の幼い頃、第3次大戦になるのではというキューバ危機というのがあった。これより少し前にスエズ危機というのが発生、内容はわからなかったが、第2次大戦が終わってまだ10年もたっていないとき、戦争の恐怖が消えておらず、皆が心配していたことをかすかに覚えている。

 この作品により、恐怖感を引き起こしたスエズ危機とは何だったのか、初めて知った。
トランプ大統領がエルサレムにアメリカ大使館を移設し、大きな非難を浴びたが、それもよくわかった。

 作品はアラブ、イスラエル論というより、起こった事象をその事象単位に羅列しているだけなので、問題の本質が何なのかは、はっきりとはわからなかったが、イスラエルの問題の本質はおぼろげながら理解できた。

 1791年起こったフランス革命は、王族支配を終わらせ、自由平等を謳ったが、一方で国家に忠誠を尽くすという国家主義、民族主義を引き起こした。その流れでナポレオンが登場した。民族主義は他の民族と自分たちを峻別することで成り立ち、民族主義による犠牲がヨーロッパ各地にいるユダヤ人だった。ユダヤ人に対する迫害が起きた。

 この風潮にオーストリーのジャーナリスト、テオドール ヘルツルが「ユダヤ人国家」というパンフレットを作り、配布。これにユダヤ人の多くが賛同し、ユダヤ人国家を創る機運が高まった。

 当初はユダヤ人国家ができれば、場所はどこでもよかった。イギリス植民地ウガンダが候補になったりした。
 しかし、ユダヤ教を背景に、どこでもいいというのは消え、ヘルツル達は、ユダヤ人の先祖の地、エルサレム、シオンの丘に創ろうと決定する。

 しかし、エルサレム旧市街はユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地となっていて、ここをユダヤ教国家の地とすることは、他の宗教には許容できない。

 さらに、ユダヤ教国家を作る地には70万人のパレスチナ人が住んでいた。そのときユダヤ人の人口はたったの2万人。
 ユダヤ人たちは、多額の資金を世界から募り、パレスチナ人から土地を奪取した。そして、パレスチナ人を追い出し、イスラエルを樹立した。

 これがイスラエルのルーツであり、パレスチナとの再三にわたる戦闘の根源になっている。

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