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法月綸太郎 「名探偵傑作短編集 法月綸太郎編」(講談社文庫)

作者と同姓同名で、しかも名探偵である法月綸太郎が事件解明で活躍する短編集。
たいていの場合、法月が事件現場にゆき推理するのではなく、綸太郎の父、法月警部が事件の内容を綸太郎に語り、そこでヒントを得て、綸太郎が事件をひも解くという手順で展開する。

 綸太郎が松本の2駅手前の駅であずさ号に乗車。席は一号車の2Aである。松本を過ぎると、1ABに座っていた夫婦、窓側に座っていた夫がぐったりとなり、隣の妻が懸命に声をかけるのだが、すでにその段階で夫は死亡していた。

 実は、夫はかかりつけの眼医者の看護士西島あづさと不倫をしていた。それを知った妻は怒り狂った。それで、夫とあづさは悲観して、眼の病に使う薬、硫酸アトロビンを医院から持ち出し、それを二人で飲んで心中しようとしていた。

 夫は大糸線から走ってくる新宿行きのあずさの先頭車の一番前の席にのる。あずさは名古屋発長野行きの特急しなのの最後尾の車両の一番後ろの席に乗る。そして列車が数分停車する松本駅の直前に硫酸アトロビンをジュースにいれて飲み、松本で互いに窓越しに確認しあって死んでしまう。

 これだけでも、なかなか洒落たトリックで面白いと思ったが、こんなトリックは平凡と法月は満足しなかったのか、とんでもない真実をここから作り上げる。

 実は、夫の妻は、女子高の教師をしていて、あづさはその教え子だった。そして、実は2人は女性同士ではあるが恋人関係になり、今でも続いていた。

 それが、心中に絡まり、悲劇性を強く印象付ける結末を法月は描く。しかし、ちょっとやりすぎのように思う。

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| 古本読書日記 | 06:24 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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