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福澤徹三    「侠飯⑤ 嵐のペンション編」(文春文庫)

このシリーズの魅力は、物語の中で柳刃が創る、よだれが出そうな料理の数々の絶品レシピ。この作品でも、たくさんの秘伝の料理がレシピとともに登場する。

 ステーキはメイラード反応を起こさせるように調理せねばならない。メイラード反応とは肉を加熱することで糖とアミノ酸が反応して焼き色がつくこと。メイラード反応を起こすことで肉の表面が褐色となり、香ばしさと旨味がでる。

 しかしこれが大変。

ステーキはまずアルミホイルで包み、弱火で焼く。焼いた後同じ時間休ませる。これを何回か繰り返すことで、中の肉がレアのまま暖かくなる。そして、最後に強火で焼きメイラード反応を起こさせ完成。
 普通は最初に強火で焼き、その後弱火にして完成させる。火力の順序が逆なのである。
しかし、こんな焼き方をするステーキハウスは見たことが無い。

 今回の舞台は、奥多摩にあるペンション。主人の皿山からして不思議な人物。アルバイトの主人公和斗にペンション運営をまかせ、妻が病気になったからと何日もペンションを空ける。主人公和斗も定職を持たないフリーター。ここに柳刃をはじめ、風変りで一癖ありそうな面々が宿泊客として、或いは夜の居酒屋客として集まる。さらに近くの料亭「鮒口」の傲慢な主人が絡む。

 これに、5億円の銀行からの強奪事件が時効を迎える日と重なり合う。

美味しいそうなレシピもうれしいが、結構事件を解決するミステリーとしても、中味がそれなりに凝っていて楽しく読める。
 まだまだ続きそうな予感をさせる柳刃シリーズである。

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| 古本読書日記 | 05:53 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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