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江上剛   「庶務行員 多加賀主水が悪を断つ」(祥伝社文庫)

第七明和銀行高田支店庶務行員多加賀。銀行では最も下っ端。銀行の中、外を掃き清めたり、銀行にやってきて戸惑っている人を助けたりする仕事をする。

この第七明和銀行内に多加賀を中心に「第七明和銀行を改革する仲間の会」という秘密のグループがある。そこに、高田支店の生野香織と椿原美由紀がいる。

 多加賀は銀行で、最も客に近いところにいて、街にも浸透している。だから、住民からの相談事が多い。商店街のシャッター化、保育園の騒音、催事の協賛金など。

 これらのトラブルを、香織、美由紀と相談して、悪人に夜、霧のなか、狐のお面をつけて懲らしめ放逐する。

 そんな時、第七明和銀行の吉川新頭取の息子が失踪し、頭取の元に現在保有している国債30兆円を売りさばけ、そうすれば息子は解放されるという脅迫が届く。そして、この真相をつきとめるために多加賀と香織、美由紀が動く。

 現在の日本の国際発行残高は1000兆円を超える。これは日本のGNPの2倍以上。こんな借金大国は世界に無い。

 銀行の資金は、この国債を購入するために使われ、マイナス金利や円安になろうが、資金を企業に貸し付けるまでにならない。だから、市場にお金が供給されない。

 江上はこの金融緩和政策に反対している。だからこの物語でもヤベノミクスと称し、アベノミクスは完全に失敗していると語る。

 それで、最後には、吉川頭取に国債売りを決断し実行させる。これが呼び水となって、日本国債が一斉に市場で売られ、国債は暴落する。

 しかし、日本経済のファンダメンタルは確固としているため、混乱は一時期は起こるものの大事には至らず、銀行の資金は中小企業に回り経済は正常に戻るというところで物語は終わる。

 江上の描くような心配の無い状況に落ち着くだろうか。迎えた不況に、中小企業に資金需要は生まれるものだろうか。私はかなり懐疑的である。

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