FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

湊かなえ    「ユートピア」(集英社文庫)

さびれてゆく地方の田舎町。そんな町には三つのタイプの人たちがいる。

その町で生まれ、そして育ちずっと生涯町で暮らす人。この物語では先祖代々からの仏具屋を引き継いだ堂場奈々子。
 それから、町にある工場に勤める会社員。いずれ、転勤辞令がでれば、町を去る人。物語では光希、それから、こんな素晴らしい自然豊かな町はないと都会から移住してきた人。知人の宮原健吾に誘われて、やってきた星川すみれ。

 物語は、町の存在を、全国にしらしめようと祭りの企画を立ち上げる(本当は自分の創る陶器を販売する)すみれにたいし、それぞれに違和感を感じながらも、ついてゆく光希、奈々子たちと、昔から根付いている人々との葛藤が描かれる。

 それに、資産家の老人を5年前殺害して、逃げている犯人芝田の事件がさしはさまれる。

実は健吾は芝田とともに老人を殺害し、新しく町が住人を呼び込むために造成した土地に埋めた。健吾は死体がほりだされないよう、その土地を購入し、住居と工房を作り、すみれと生活を始めた。もう一つ健吾が町に戻ってきたのは、老人が所有していた金の延べ棒を探すためだった。

 こんな背景が物語の終末で、いろんな出来事に伴い一気呵成に明らかにされる。
面白いのだけど、すみれ、光希、奈々子の田舎を舞台にした、それぞれの揺動や、田舎生活で生じる摩擦が老人殺害事件と共鳴していない。
 どちらかに絞って物語を創り上げたほうがよかったように思える。

また9000人しかいない寂れた町に、個人商店がいくつも存在したり、すみれの企画に、あふれんばかりの人がやってきて、店に行列ができるところなどは、あまり想像ができなかった。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ



| 古本読書日記 | 06:17 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT