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小池真理子    「危険な食卓」(集英社文庫)

日常の出来事に少しサスペンスの要素を混ぜ合わせた8編の短編集。

70歳を過ぎた主人公の西村与平は、現在三女の直子夫婦と一緒にマンションを買ってあげ住んでいる。少し物忘れがひどくなってきていて、その度に直子にきゃんきゃんときつく叱られ、一緒に住むのがいやになってきている。

 少し前、娘夫婦が夜映画を観に行き、その間行きつけの小料理屋「三上」で夕食をとる。帰ってきてドアを開けようとすると鍵が無い。探しても、「三上」に戻っても鍵はみつからない。それで、娘夫婦が帰ってくるまで玄関の外でじっと待っていた。
 老人は無くしてはいけないものは、常に身につけておくようにと厳しく叱られた。

息詰まる窮屈な毎日を過ごしていた時、同じマンションに住んでいる若い女性絵里と知り合う。絵里は、仕事もしないで一日中マンションにいる。

 ある日、たまたま出会った絵里から、一緒に昼ごはんを食べようと絵里の部屋に誘われる。部屋にはマルチーズの老犬モモがいた。

 絵里は薬剤師として病院に勤めていたが、そこで知り合った製薬会社の営業マンとつきあいプロポーズされ、結婚後住むためにこのマンションを購入したのだが、結婚直前に彼から別れを告げられる。死のうと思い、実家の工場から青酸カリを持ってきたが、死ぬことはできなかった。
 しかし、そんなどん底から立ち直り、今は元気を回復したと与平に宣言する。

絵里は気分転換に2泊3日で京都に旅行にゆく。その間、与平に部屋の鍵を渡すので、モモの面倒をみてほしいと与平にお願い与平も了解する。

 絵里が出発した夜、いつもの「三上」から帰って、絵里の部屋を開けようとしたとき、鍵が無いことに気付く。どこを探しても無い。

 次の晩「三上」に行く。そこで以前空き巣をしていて、どんな鍵でもたちどころに開けて見せることを自慢していた鍋島とあい、絵里の部屋を開けてもらうことをお願いする。鍋島は即了解。そして30秒もかからずに部屋のドアをあける。モモが元気でいることを知り与平が喜んでいると、鍋島は犯罪をさせたのだから50万くれと与平を恐喝する。

 しかも、鍋島は部屋の家探しを始める。金目のものが無かったが、目についたレミーマルタンを、もらってゆくと言って持ち帰る。

 次の日、定期預金を解約して50万円をもって「三上」に行く。すると、おかみが鍋島さん亡くなっただってと新聞をみせる。警察によると、青酸カリを飲んで死亡したが、どうしてあんな大量の青酸カリを手に入れたのかがわからないと小さな記事がでていた。

 絵里がお土産を抱えて京都から戻ってきた。レミーマルタンが無くなっていることに気付く。あわてて与平は、「あんな恐ろしいものはトイレに捨てた」と答える。絵里はおじいさんは凄い千里眼を持っているんだと感激し与平に抱きつく。

 ちょっと洒落たミステリーだ。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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