FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

大平光代    「だから、あなたも 生き抜いて」(講談社)

本の帯に「感動した」という読者の声とともに、「自分も勇気と力をもらった。めげずにがんばるぞ」という内容のメッセージがたくさん掲載されている。

 しかし、私の感想は、唖然、茫然である。事実が小説を完全に超えている。作家をもってしてもここまでの物語は作りえない。もし、これが小説だったとしたら、こんな現実離れした内容は受け入れられないと拒否にあうこと間違いない。

 昭和53年、著者の大平さんは7月に祖母の家に転居したために、中学校を転校せねばならなくなる。そこから、強烈ないじめにあう。2年生になりクラス替えで3人の友達を得、一時楽しい学生生活を送ったが、その3人から、嫌いだけど付き合ってあげたと裏切られ、また全員から無視、いじめの世界に入る。

 学校へもいけなくなり、様子を心配した母にしつこく迫られ、いじめを受けていることを告白する。

 すると次の日、担任の先生が、いじめの首謀者を非難するのでなく、2人は今日から友達と言って握手をさせる。そこから、首謀者の子は大平さんがチクったとさらにいじめは激しさを増す。
生ごみを机に山のようにまかれるなど。親も先生も味方になってくれないと絶望した大平さんは、生きていてもしかたないという気持ちが高まり、何と驚くことに割腹自殺を試みる。

 発見が早く一命はとりとめた。

高校には入学したが、学校にはいかず、街をさまようことになる。完全に不良となり、これもびっくりだが、暴力団の組長の妻に16歳でなる。そして、親の承諾書をかってに作成して、背中に入れ墨を彫る。

 転機はどん底生活のなか、北新地のクラブでホステスをしていたとき、父の友人だった大平浩三郎さんが客としてやってくる。それから、しつこく大平さんがクラブをやめまともになるように説得する。父の友人大平のこの言葉が大平さんを目覚めさせた。

 「確かに、あんたが道を踏み外したのは、あんたのせいだけやないとおもう。親も周囲も悪かったやろう。でもな、いつまでも立ち直ろうとしないのは、あんたのせいやで。甘えるな!」

 就職に挑戦したが、中学もまともにでていないような人には、全く就職口は無い。まして極道の妻だったりしたから。

 そこで、何か資格を取ろうと挑戦。まず宅建に挑戦して取得。次が司法書士。ほとんど独学でこれも取得。

 そしてなんと次は司法試験に挑戦しようとする。そのためには、大学へ入学せねばならない。それから、中学校の教科書、参考書を手に入れ、学ぶ。その勉強描写はすごい。そして大学入学資格認定制度をクリアして、ある大学の通信教育学部特修生コースに入学。

 懸命に勉強して大学の単位を取得、そして大学3年生29歳のとき、最難関の司法試験に一発で合格、司法修習生を経て、弁護士となる。その後、大阪府副知事までのぼりつめる。

 日本でかってなかったたし、これからも絶対でないだろう中卒で、弁護士になったのである。

 正直絶賛する気持ちはあるが、自分と比較して不甲斐なさばかり思い出し、ため息ばかりがでる。
大平さんは超超スーパーウーマンである。

ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ




| 古本読書日記 | 06:09 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT