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田中文雄    「ザナドゥー」(角川ホラー文庫)

 日本が戦争に突入した時代にある男の子が生まれる。そのまま、男の子として育て、青年の年齢に達し、その時戦争が続いていると、男の子は戦争にとられる。それが、両親としては全く受け入れられない。そして両親は生まれた子は女の子として届け、女の子として育てることを決意実行する。

 その男の子は、見事に美しい女性として育つ。そして映画にも出演する。その映画で助監督をしていた高山は完全に女優に惚れ、結婚の申し込みまでする。

 2人は江の島の海で溺れ、高山は助かるが、女優は海の藻ずくとして消えた。女優は死んだかと思われたが、実は生きていて熊谷典子から、山谷の労務者安田の戸籍を買い取り、その後安田豊樹として男性に変わる。

 それから年が過ぎ、映画助監督の神波は、嵐の夜、住んでいるアパートからみえるさびれた洋館の窓から稲光に浮かび上がる「女」をみる。

 翌日オーディションに現れた女性の一人、中野真理子がこの女性にそっくりで驚愕する。
しかも真理子は神波と同じ鎌倉のマンションに住んでいた。
真理子はこんど撮ろうとしているヒロインの二十歳前を演じる主演女優となる。ヒロインの20歳過ぎを演じるのは当時の大女優、宮原五月。

 映画の監督をしている児玉は、女優にすぐ手をつけることで有名。そして宮原を愛人にしていた。児玉は神波の師匠。

 そして、大女優の宮原がマンションから飛び降りて死ぬ。監督の児玉が交通事故で瀕死の重傷を負う。この2つの出来事に謎の女性と老人の影がつきまとう。

 そして、最後に洋館にいた、稲光のなかでみた女性とそこに住んでいる老人安田に物語は収斂してゆく。

 もう少し、男の子が女の子として育てられる描写を突っ込んで書けば、面白い作品になったのではと思われるが、それが無いため、中身の薄い作品になってしまった。

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| 古本読書日記 | 06:06 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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