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高橋克彦     「長人鬼」(ハルキ ホラー文庫)

無軌道、無慈悲、わがままし放題の陽成天皇がわずか17歳で退位されたとき、それまで干されていた陰陽師の弓削是雄が復権して陰陽寮の頭になる。

 しかし、怨霊の出現なのか、自然が引き起こしたことなのか、陽成天皇が失脚してからも年10件と、多くの凶事が陽成天皇時代と同様の数発生していた。凶事が起こる頻度が多すぎる。桓武天皇が奈良から京都に遷都したときでさえ凶事の発生件数は6-7件/年だから現在は異常事態である。

 そこで、凶事が発生していると思われる、筑紫と出羽に陰陽師が派遣され、調査と悪霊によって発生していることがわかれば、霊を鎮めるよう関白より指示がでる。2人の陰陽師が2つの国にでかける。

 実は、その時、陰陽寮に所属する正式な陰陽師は是雄を含んで4人しかいなかった。二人派遣されてしまうと残りは是雄と紀温史しかいなくなる。

 そこを狙ったかのように、京都に人家の屋根を超える長人が現れる。人々はそれを長人鬼とよび、恐怖におののき、街は混乱に陥る。

 しかし、その時、讃岐の国主に左遷されていた菅原道真より、淡路島で凶事がたびたび発生。その怨霊を除去するため、陰陽師の派遣要請が朝廷にくる。

 百年以上も前、孝謙上皇より謀反の疑いをかけられ帝位を退位させられ、淡路島に流罪にされた淳仁天皇、流刑にあって一年後に亡くなったが、その怨霊が取りついておきている凶事と思われ、力のある陰陽師の派遣が求められたのだ。そんな力のある陰陽師は是雄しかいない。

 不穏な京都にたったひとりの温史を残し、是雄は淡路へと向かう。
淡路を何とか鎮め、京に戻った是雄や温史とその部下たちと長人鬼との戦いが物語のクライマックスとなる。

 この長人鬼は塀や建物をまたいで歩く。そんな表現があったかと思うと、実際長人にみえるのは二人の人間がいて、下の人間にもう一人の人間がのり長い着物を着て、長い袴をはいて長人にみせているという描写がある。

 それで、どうやって塀をまたいだり、建物をまたぐの?と素朴な疑問が起きる。野暮は言ってはいけないということなのか。

 こんな具合にホラー現象の謎が明らかにされ、その背後にある謀略が明らかにされる。
内容はともかく、平安時代の話としては読みやすい。

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| 古本読書日記 | 06:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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