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町田康    「ギケイキ」(河出文庫)

私は読んだことがないのでわからないが、義経の生涯を描いた古典、かなり虚実が混然としているらしい「義経記」を、結構忠実に現代のパンク、フュージョンの言葉に置き換え、町田が描いた、町田版「義経記」である。

 わかりやすく、楽しく、最後息切れした感はあるが、義経のことがよくわかり面白い。

義経は平治の乱で謀反を働き殺された源義朝と静御前の間に生まれ、幼名を牛若丸と名付けられる。

 牛若丸は13歳の時に、熱田神宮にて自らの手で元服し、九郎判官義経と名乗るようになる。義朝の息子。長男が善平、次男が朝長、三男が頼朝、四男が希義、五男が範頼、六男が今若、七男が乙若、そして八男が牛若、とこの作品では書かれている。今まで九郎というから義経は九男かと思っていたが、八男だった。本来は八男判官と名乗らねばならないのだが、為朝が八郎と名乗っていたために九郎にしたそうだ。

 日本では釣り人として有名な中国の太公望が書いた兵法書「六戇」がある。この「六戇」は軍事マニュアルなのだが、本を読みこなした人はみんな奇跡的な軍事技術をみにつけた。

 張良というひとは、90センチの竹棒にまたがりインドから満州まで飛んだ。礬膾というひとはこの本から強烈パワーを取得。敵と相対すると兜から頭髪が抜け出たり、鎧から胸毛が抜け出る。

 義経はこの「六戇」を所持している将門という男から、下女を篭絡して盗みだし筆写する。

悪事が国を栄えさせると考える弁慶がある日気が付く。千という数字が肝要だと。千手観音、千羽鶴など。だから千の太刀を奪い取れれば自分はとてつもなく出世できると信じて、夜、通りを徘徊して、歩いている武士の太刀を奪う。

 これが九百九十九まで奪取。あと一刀というところで義経に夜中に会う。

義経は弁慶の振る薙刀をフワっととんで避け、あの「六戇」で会得した技術により、空中でピタっと止まる。さらに驚くことに、重力に逆らってここから2メートルも飛び上がる。
 この義経の術で弁慶は敗れ、義経の側近として忠誠を誓うようになるのである。

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| 古本読書日記 | 06:20 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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