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朝倉かすみ   「幸福な日々があります」(集英社文庫)

36歳で3歳年上の守田裕一と結婚した森子。10年たった正月元旦「夫としては好きじゃなくなった。」と突然言う。さらに「別に嫌いになったわけじゃない。親友としてなら好き。
でも、もう一緒には暮らせない。」と言って、離婚手続までしだす。

 裕一はびっくり。好きだけど暮らしたくないということが理解不能。何回か、話し合いを持つが、完全に平行線。そして、森子は清掃の仕事をみつけて、川崎のアパートをでてしまう。

 友人が森子に聞く。
「そりゃあ、夫婦の問題だし、積年の思いが積み重なって、ちょっとずつの思い違いが溜まっていってということがあるのはわかるが。それにしても、なんで?」
「好きじゃなくなったんだ。いろんなことが溜まったっていうより、淀んじゃったという感じ。排水溝に詰まってしまった。」
「そんなこと当たり前のことじゃないの。排水溝に溜まっても、そのうち目が粗くなっていつのまにか流れていって、最後には添い遂げるんじゃないの。」

 友人の忠告が全く常識。好きじゃなくなったって夫婦が離婚していたら、世の中離婚だらけ。

で、一人生活を始めた森子の生活が充実しているかと言えば、全くそうではない。

 休みになると、顔も洗わず、歯も磨かないことが多くなる。食事作りも身が入らなくなる。
湯豆腐のような簡単なものを最初は作っていたが、それも面倒になり、コンビニのおにぎりやカップ麺ですごすことばかりになる。昨夜はカップ麺を2個食べた。

 明日こそちゃんとしようとおもうのだが、その明日になると、明日こそちゃんとしようとまた思い、やがてそれが重圧となり、それをまぎらわすために飲めなかったお酒を飲みだす。
 そして、とうとう嘔吐し、隣の人に介抱してもらう。

 これじゃあ、何のために一人になったのか理解できない。でも、物語は2人はもとのさやにおさまらないまま終わる。

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| 古本読書日記 | 06:03 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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