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笹生陽子     「ぼくらのサイテーの夏」(講談社文庫)

笹生のデビュー作。児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞を受賞した作品。
男子は、児童といわれる時代には、集団で仲間をつくり、遊びも喧嘩も仲間で塊ってする。

 主人公の桃井は小学校6年生。いつもの仲間と外階段飛びのゲームを2ふた組のチームとする。階段から飛び降り、着地を手をつかず決めると、その階段の段数と着地で点数が決まり勝ち負けをつけるゲーム。最終ゲームまで桃井が属する4組が2点リード。そこに2組の栗田が登場して何と9段目から飛び降り見事に着地を決める。桃井も9段は経験が無かったが、自分も9段から飛ばないと負けてしまうと思い挑戦するが、失敗して骨折し意識を失う。

 その翌日、親まで呼び出され、学校より大目玉を食らう。しかも、階段飛びをした全員が集められ、指導教師から夏休み毎日プール掃除が命じられる。
 しかし、夏休みは遊び楽しむとき。だから、誰もがしぶる。そんな時、栗田が「おれはやります。」と名乗りでる。先生が「一人では無理だ」というので、桃井が「おれもやる」と言ってしまう。

それで桃井と栗田は毎日プール掃除をすることになる。
桃井は栗田が嫌いだ。だから、2人とも簡単な挨拶はするが、それ以降はばらばらで口もきくことなく掃除をする。昼食も互いに離れて一人で食べる。

 そんな、何日かたった夕方。家から少し離れた公園を散歩していると、栗田と出会う。そこで、家はどこなのから始まり少ない会話が始まる。栗田は5歳の妹を連れていた。その妹はストレスが少し加わると、耳も聞こえなくなるし、目も見えなくなるという難病を抱えていた。栗田が家に引きこもってばかりでは体力が無くなると散歩に連れ出してるのだ。

 実は桃井にも引きこもりの中学生の兄がいた。気にさわることがあると、大爆発して、家にあるものをぶち壊す。それ以外は部屋にひきこもり、ごはんも部屋の前に置くという生活。

 それから、栗田と桃井は昼食を一緒にとり、心を少し通わせるようになる。
不思議なのは、栗田の家にいやがる兄を引っ張り出し連れてゆく。すると兄と栗田の妹が楽しそうに話をする。

 プール掃除が最終日になるころには、桃井は栗田がいいやつだと思うようになる。そして栗田は大切な友達となった。

 ところが栗田の家が、火事になり、栗田は遠くへ引っ越す。
そして、桃井は中学生となった。栗田とはそれでもごくたまに会う。中学生になった桃井は集団とつるまなくなり、一人、一人個別に友を持つように変わった。

 サイテーの夏を超えて、桃井は少し大人になった。

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| 古本読書日記 | 05:57 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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