FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

朝倉かすみ    「乙女の家」(新潮文庫)

主人公は女子高生の若菜。その青春物語なのだが518ページの大長編。よく、このテーマで大長編を創ったものだと感心していたら、新聞連載小説だった。

 若菜は純真で、自分探しの毎日を送る。こんなにピュアな子なのに、家族背景はへんてこ。
 曾祖母は78歳。17歳の若菜に曾祖母が健在なのである。なかなかあり得ないことだ、と思ったらお祖母さんが58歳なのに、母親洋子は42歳。母親は、お祖母さんの16歳の時の子なのだ。

 曾祖母は祖母を生んだときの相手と相手の家、親族から家柄が合わないと反対され、結婚できず妾として人生を送ってきた。

 祖母は、高校生の時当時同い年だった、不良グループロイヤルストレートフラッシュ総長の安藤智巳の子供を宿し、高校を中退。一方の安藤も中退し、2年後には2人は結婚を両家も含めて行うことが約束されていたが、2年たつ前に2人は別れる。それで、看護師の免許をとったりしてシングルマザーを通してきている。

 こういうまっとうでない祖母、曾祖母の人生をみてきて、それを反面教師にして、母親はきちんとした家庭、家族をもちしっかりした生き方をしようと努めてきた。

 ところが何があったのか、もともと家族が住んでいたマンションから母親が若菜と弟誉をつれて、祖母が暮らす実家に戻ってくる。加えて不思議なのだが、毎晩父親は実家にやってきて、家族で夕食をとり、その後マンションに帰ってゆく。

 さらに、若菜が大事な友達にしている、文学少女で真面目そうな高橋さんが、若菜と2人で家出をもくろんで失敗して、夜中のファミレスで話をしていたとき、ヤンキーな金髪男たち不良3人に絡まれたのだが、この時のヤンキーの一人に恋心を抱いてしまう。

 若菜は、祖母、両親、高橋さんの抱えている難問を解決するための支援をすることで、自分を確立させようと、くらげのようにこの3つの人たちの間を揺れ動く。

 うまくいったのもあれば、うまくいかなかったものもある。結果、自分が探すことができたのかよくわからなかったが、物語に挟んである、私も若い時よく口ずさんだクレイジーキャッツの「学生節」が人生の基礎のような印象が残った。

 歌詞を紹介
一言文句を言う前に ホリャ親父さん、ホリャ親父さん
あんたの息子を信じなさい ホリャ信じなさい、ホリャ信じなさい
柳は緑、花くれない 風が吹いたらナンマイダ
アンタの知らない明日がある ホリャ明日がある、ホリャ明日がある
どっこいここは通せんぼ、ここには入れぬわけがある
アンタの息子を信じなさい、ホリャ信じなさい、ホリャ信じなさい

 この後「おふくろ」「先生」「恋人」にバージョンが移る。
やきもきして、干渉ばかりするのではなく、まず人を信じて関係をもつのが大切なのだ。

 ランキングに参加しています。
ぽちっと応援していただければ幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

| 古本読書日記 | 05:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT














PREV | PAGE-SELECT | NEXT