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川上弘美     「猫を拾いに」(新潮文庫)

  発想が突き抜けていて、それだけで感動しまくる21編の短編集。

  主人公がはたらいている会社は、小田切さんが起業した「にせ家族」が源の会社。
「にせ家族」というのは一時期話題になった、本物ではないけど、お父さん、お母さん、妹などのふりをする会社のこと。

 このにせをふくらましいろんな要求のふりをして金を儲ける。例えば、不倫をしているカップルから頼まれ、不倫カップルがホテルに入るまで、友達のようにして、一緒に歩き、ホテルをでたらまた一緒に歩く。

 このニセ活動は5人が一組になって行動する。そして、呼称はすべてレッドとかホワイトとか色で振り分けられる。

 5人に新年仕事が舞い込む。会社で地位の高い人からの依頼だという。

 そこで、5人は依頼者の家にでかけ、大きな声で「あけましておめでとうございます。」と言う。すると主人が「まあどうぞ、どうぞ」と玄関からあがるように明るく言う。

 多分会社で嫌われている上司で、新年に挨拶に誰も来ないのでは、世間体が悪いと思って、自分たちは呼びつけられたのだと5人は思う。

 5人が、ある部屋に通される。そこで主人がボタンを押すと、部屋の壁がせりあがり、天井まで行くと、そこには5つの事務机と椅子が用意されている。主人が言う。
 「さあ向こうが事務所です。仕事をしてください。」と。

 5人の1人が、「仕事といっても、パソコンが無いと」というと、またべつのボタンを主人が押すと、天井からパソコンが下りてくる。

 仕方なく、5人は、むやみにエクセルを打ったり、ワードをつくり仕事のふりをする。
一人が、「この前たのんだ企画書はできてるかね。」というと「少し待ってください。すぐできます」と別の一人がこたえ、数分後に企画書をプリントする。

 規定の一時間半、仕事の振りをして5人は、新年の割増料金を含めて、代金をもらい事務所に帰る。

 そして、今の依頼は何だったんだろうとみんな首をひねる。

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| 古本読書日記 | 05:54 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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